25話 ページ25
大「Aちゃんさーまだ時間大丈夫かい?」
「はい、まだ全然。」
3時過ぎ。
7時半くらいに家に帰れば基本的に何も言われないし、うちの母親は私が人と出かけるのが嬉しいらしく。
今日だって家を出る時、お母さんは飛び跳ねそうなくらいに上機嫌だった。いつも明るい人だけど、私が所謂 “高校生らしいこと” をするのが嬉しくて仕方ないんだそうで。
……実は結構それに救われてて、嬉しかったりもするわけで。
駅前に売られているお母さんの好きなシュークリームを見かけて、取り敢えず買って帰ろうと密かに決心する。
大「じゃあさ、私の家でファッションショーごっこしよー!」
「…へ?」
思いがけない提案に拍子抜けして、思わず間抜けな声が飛び出した。
綺麗なロングヘアーが風になびいて、先輩はちょっと眉を下げて困ったように微笑んだ。キツくない香水の爽やかな香りがふわりと舞って、女の私だけど不覚にもキュンとする。
大「ここから私の家近いんよー、良かったら来ないー?」
「え、そんな急にお邪魔しちゃって大丈夫…」
大「大丈夫大丈夫ー!お母さん今日仕事やし、誰もいないからさー」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
私が承諾すると大野先輩はやったー!と喜んで、こんなに喜んで貰えるとこっちまで笑顔になる。
早く行こうと私の手を取った先輩は相変わらず笑顔で、やっぱりキラキラしていて。なんで私なんかに興味を持って、こうやって関わってくれているのか、正直全然分からない。
でも先輩といると笑顔が絶えなくて、見る景色が全部新鮮に思えて。これからも長く付き合って行きたいって思う。
相変わらずファッションショーごっこの意味は分からないけれど、屈託のない先輩の笑顔を見たらきっと楽しいんだろうなと思った。
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かのい(プロフ) - じつさん» ありがとうございます! (2019年6月8日 10時) (レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)
じつ(プロフ) - かのいさん» 固定になっていましたか!申し訳ないです、直ぐに修正させていただきます、いつもありがとうございます! (2019年6月8日 7時) (レス) id: 886d351a0b (このIDを非表示/違反報告)
かのい(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンします!名前は固定なんですか?できれば固定じゃない方がいいです… (2019年6月8日 0時) (レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じつ | 作成日時:2019年4月23日 22時