45.依頼人 ページ47
コンパクトを国木田さんから預かり、何方の方向に行ったかと窓から身を乗り出す。
すると敦君や鏡花ちゃんも一緒になって探してくれた。
「あっ！
あの人じゃないですか！？」
よく見れば、時期に点になるであろうと言った距離に、ぼんやりとそれらしきシルエットがあった。
流石虎の視力だと感心する。
然しそうゆっくりもしていられなかった。
「ネィロ！」
そう呼べば、先刻迄ソファで丸まっていた私の猫が走ってくる。
敦君に御礼を云い、コンパクトを落とさないようにショルダーバッグに入れてからネィロが肩に乗ったのを確認しぐっと窓枠を掴んだ。
「真逆……やめろA！」
「いってきまーす！」
そのまま窓から飛び降りた。
流石に4階から飛び降りて無事では済まない……。
という事で、異能をフル活用する。
着地する前に異能で足を覆う。これだけで衝撃を抑えられるという訳だ。
そして異能で覆ったまま走れば、何時もよりもかなりのスピードで走ることだってできる。
割とこの異能はチートだ。
「すみません！武装探偵社の者です！
此のコンパクトお忘れになられませんでしたか？」
「…………！
ええ、確かに私のものだわ。届けてくれて有難う。」
「それでは、私はこれで……」
そう云いかけた時、依頼人に引き留められた。
若干幼児でも扱うような声を出されたのが気に障ったが、見た目的に仕方の無いことなので諦める事にする。
「何か御礼がしたいわ。
甘い物でもご馳走させて貰っていいかしら……？」
「いえ、当然のことですから。」
「でも……」
中々に食い下がるこの依頼人に益々先刻のアレが増えた。
此処で乗るのも、一つの手かもしれない。
「うーん、それは一寸バレたら怒られちゃいますね。
でも、おねぇさん困ってますよね？先刻から何だかそわそわしてますし！
その依頼なら、おねぇさんについて行きますよ！」
若干猫をカブった感が出てしまったが、気にしていないようなので安心した。
じゃあ、お願いしようかしらと微笑んで手を引いてくる。
「その前に、飴、食べてもいいですか？」
「ええ。よかったらこの飴どうぞ。」
少し変わった個包装の飴を渡された。
この辺りでは見かけない包装紙だった。
有難く頂戴し、自分の持ってきた飴を舐めつつ電源を入れ少々嫌々乍も手を繋いだ。
手を繋ぐならエリスちゃんが良かったなあと思いつつ、依頼人の言われるがままについて行くことにした。
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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います！更新させていただきました！ (2018年5月14日 16時) (
レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです！これからも更新頑張ってください！ (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません！沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです！応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです！ 次の話を期待して待機してます(●´ω｀●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月城捺樹 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年10月14日 18時
