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39.出社 ページ41

次の日、何事も無かったように探偵社へと出社した。
自分の机へと行き……思わず目を逸らす。

理由は溜まっていた大量の書類、依頼。
幾日も出社していないのだから当たり前なのだが、せめてこの半分の量でいて欲しかった。

深いため息を吐き乍クリップでとまった書類を眺める。
うん、此れ太宰さんのも混じってる
書類を見直せば、4分の1は太宰さんのものだ。

私は無理だろうとは思ったが、一応返そうと書類抱えて事務室を出た。
同時に、敦君の焦ったような声が聞こえる。


「同棲なんて聞いてませんよ!」


嗚呼、そういえばそうだったね。
割り込むのも悪いと思い、敦君達4人が話しているのを横目で見ながら賢治君に話しかけた。
最近は善く街の様子なんかの情報交換をするので仲良しだ。


「賢治君、この書類私のとこ入ってたんだけど太宰さんに返せると思う?」

「無理だと思います!」


賢治君に元気に答えられて、矢っ張り?なんて苦笑いする。
然し内心では軽く舌打ちしていた。
今度家の中に仔犬でも置いといてやろうかな。


「……あれ?
一寸、Aちゃん〜」


そんな間抜けな様な声で呼ばれた為、一寸ごめんねと賢治君に云ってから太宰さんの方へと向かう。
他の3人は不思議そうな顔で私の方を見ていた。


「Aちゃん、私のポケットUSBから抜いたよね?」

「あ、此れですか」


そう云ってポケットから可愛らしい柄のついたUSBを取り出す。
ふとどんな事が書いてあるのか気になって、昨日勝手に借りてたんだった。

USBを太宰さんに渡し、其れを敦君に押し付けている。
序に持っていた書類も太宰さんの机に置いておいた。

今日中にあの量の書類終わるかなぁなんて考え乍、重要な話をしている彼らの会話を聞く
不謹慎だけど、一応覚えているからね。
すると、慌てた様子で谷崎さんが駆け込んできた。


「た、大変です!」


その声と同時に聞こえる、ヘリの大きな音。
その音に、皆が窓から外の様子を見た。

嗚呼、来てしまったか


「先手を取られたね」


余裕のない表情で太宰さんが云う。
私は再度小さく舌打ちをした。

嗚呼、面倒だな

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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います!更新させていただきました! (2018年5月14日 16時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません!沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです!応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです! 次の話を期待して待機してます(●´ω`●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月城捺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年10月14日 18時

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