22.異能力 ページ24
「単純に、自信が無い……という事もあります。
でもそれ以上に、皆さんの足を引っ張りたくないんです」
なるべく考えないようにしていた。私の存在は必要が無いという事を。寧ろ、邪魔なのだということを。
__でも、此れは事実だから
自分で云った事なのに、酷く苦しい。
同時に元いた場所の事も思い出してしまい、思わず目を伏せる。
「太宰さんも云った様に、此の身体では不自由なことも多い。探偵社員だと思われないどころか、何かあった時に大人と比べたら到底敵わないことも確かです
それに、異能も役に立つようなモノではない。其れ所か、制御まで出来ていないせいで……皆さんにもご迷惑をおかけました」
「……それはAの本心かい?」
「……はい。」
申し訳なさでいっぱいになる。
何で私は何時もこうなのだろうか
「異能の制御は、きっとAちゃんにも出来ると思うよ。
それに……役に立たないことも無い」
「……え?」
太宰さんがふわりと微笑む。
とても優しい顔だった。
「恐らく、この異能を使いこなせる様になったら……
Aちゃんが思っているよりもっと強力な異能力になるだろう。」
「強力な異能力……」
「試してみるだけでも価値はあると思うよ。
……無理に諜報員にならなくても、事務員のままでも出来ることはあるからね」
また、期待をかけられる。前のように。
でも____
この期待は苦しくなかった。
「……頑張ります。必ず使いこなして見せます……!」
「うん!その意気だよ!」
皆さんの役に立つために。
私は次の日から、使いこなす為に特訓を始めた。大体の特訓は、太宰さんが付いてくれている。……仕事は大丈夫なのだろうか。
その日も、稽古の帰りだった。
太宰さんが珍しくお茶を奢ってくれると云うので、最近見つけたという良い喫茶店へと向かっていた
「大分扱えるようになったねぇ。」
薄暗くなってきた空を見上げて太宰さんが呟く。
その横顔は、何だか楽しそうに見えた。
「私は、もっとちゃんと扱えるように成りたいです」
今後が楽しみだね、だなんて云われる。
嬉しくて舞い上がりそうだ。これからもっと上達して、自分の身は自分で守れるようにしないと___
そんな事を思っていた矢先。
1人の少女が、太宰さんの袖を掴んだ。
「____え?私?」
「……見つけた」
瞬間、異能力が発生する。
その少女は……
泉鏡花。
ポートマフィアだ。
「……貴方も一緒に来てもらう。」
如何やら、拒否権は無さそうだった。
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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います!更新させていただきました! (2018年5月14日 16時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません!沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです!応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです! 次の話を期待して待機してます(●´ω`●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月城捺樹 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月14日 18時