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15.持ち主 ページ17

「乱歩さん、じゃあそれ誰のお財布なんですか!?」

「え?太宰だけど?」

さも当然そうに云う乱歩さん。
いや、何で太宰さんの財布を乱歩さんが持ってんですか!

「入.水に行くからーって無防備に置いてあったからね」

「それ理由になってませんから!」

精一杯突っ込む私を乱歩さんは軽く流し、買ってきたばかりの駄菓子を食べている。
……太宰さんには一応謝って、今度返そう。

ふぅ、と軽い溜め息をつくと再び乱歩さんの隣を歩いた。









暫く乱歩さんと雑談をして歩く。
矢張り大人との歩幅は違い道のりが長いように思えた。

探偵社につき、扉を開ける。

「ただいまー!」

「只今戻りました。遅くなってすみません」

軽く会釈をして中へ入る
すると太宰さんが何やらわーわーと国木田さんに言っていた。

「だから、私の財布知らない?」

「多方川に流されている時に落としたんだろう!

……嗚呼、遅かったな」

「それがねぇ、今日は珍しく自分のデスクに置いておいたんだよ。」

どうやら太宰さんの財布が無くなったと騒いでいる様だった。
周りは苦笑いで二人を見ている
すると太宰さんはパッと此方に話を振ってきた

「ねぇAちゃん。此処に置いてあった私の財布知らない?」

「それなら此処にあるけど?」

私の変わりに乱歩さんが棒付き飴を食べ乍答える。
手には紛れもなく先刻迄使っていた太宰さんの財布があった。

その財布を太宰さんの方へとポイっと投げる。

「おっとと……
所で乱歩さん、何故私の財布を?」

「そんなの決まっているじゃないか!」

それだけいうと乱歩さんは自分のデスクの方へと歩いていく。

「え……一寸乱歩さん!?」

「……すみません。今度ちゃんとお返ししますので…」

かける言葉も無く、それだけ云うと私は事務室の方へと戻った。


結局その日、太宰さんは比較的静かだったそうだ。

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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います!更新させていただきました! (2018年5月14日 16時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません!沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです!応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです! 次の話を期待して待機してます(●´ω`●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月城捺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年10月14日 18時

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