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14.買い物 ページ16

乱歩さんには、太宰さんにも伝えていない私が元いた世界や、此方に来てからのこと等を話した。
これ以上隠しても、どうしようもないしね。

「まあ、これくらいですかね」

平然を装う様に冷めた紅茶を口に運ぶ。
うん、冷たいし不味い。

「ふぅーん、そんな事もあるんだねぇ」

「……で、流石に戻りますか?
意外と時間立ってますし」

「え、なんで?」


吃驚して思わずバッと顔を上げる。

「なんで……とは?」

「だって、僕買い物するって云ったでしょ」

其れは出てくるための口実では?
理解出来ずにポカーンとしていると、だーかーらー!と大きな声で云われた

「君、幾ら与謝野さんのとこにお世話になるといっても服も何も無いんでしょ!?
それを買いに行くっていってんの!ほら行くよ!!」

「乱歩さん此処お店ですから!

……其れに、私お金持ってませんし。数日同じ服でも死にませんよ」

すると乱歩さんははぁ?と、更に不服そうな顔をした。

「良いわけ無いでしょ。寝間着と肌着だけでも買いに行くよ!

……先刻の事、バラされてもいいなら強制はしないけど?」

不敵そうに笑った乱歩さんに対し、ぐっと言葉に詰まる。
早々に脅される道具になった………そう思いつつも、少し買い物が楽しそうだと思ったのは確かだ。

「でも、お金持ってませんし」

「これ使えば?今後返せばいいでしょ」

乱歩さんは財布を見せ、だから行くよ!っと手を引っ張る。
私はふふっと笑を零し乍隣を歩いた。









「……結構買いましたねぇ」

自分達の持っている紙袋を見て云う
その数6つ。かなりの量だ。

「3割は貰ったものだけどね!」

何故か私と乱歩さんがお店に行くと、兄妹と思われた。
すると、「可愛い兄妹にオマケ付けておくわね!」と云われたのだ。

……確かに乱歩さんは26歳に見えないけど。
それとオマケしてくれるのはあまり関係ないと思う

「あ、駄菓子屋!Aちゃん、駄菓子屋寄るよ!いいでしょ?」

「構いませんよ」

別に時間がないという訳でも無いし、私自身駄菓子屋が好きだから中に入ることにした。
それに乱歩さんも荷物が多いからと3つほど持ってくれている。
だから尚更断れないのだ。

……ところで、先刻からかなりの量を買ってるのに、お金は大丈夫なんだろうか。

「乱歩さん、お金って大丈夫なんですか?」

「ん〜?嗚呼、大丈夫だと思うよ?
此、僕のお金じゃあないし」


「……え?」

15.持ち主→←13.乱歩さん



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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います!更新させていただきました! (2018年5月14日 16時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません!沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです!応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです! 次の話を期待して待機してます(●´ω`●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月城捺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年10月14日 18時

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