夢主に振られたからって私に相談しないでください

第十七話　中原中也 ページ21

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「動くなよ、振り向いたらこの首掻き斬って殺 す」

そう脅し文句を言っていたのは太宰さん…



ではなく太宰さんの相棒の中原中也さんだった

「まだって言ってるでしょ、身長が小さい分

脳みそまで小さいの?」

「んだとクソ鯖、なら手前のそのデケェ頭を

俺がかち割ってやろうか」

「はぁ〜、ヤダヤダこれだから脳筋は、

力で物を言わすことしかできない男はモテないよ」

「あ゛ぁん?今まで数えきれねぇ程の女を泣かした

女の敵にだけは言われたかねぇよ」

あ、ちゃんと太宰さんもいた、てかサラッと貶すね

喧嘩ならよそでやってくれんかな???

今、殺 そうとしてる瞬間に喧嘩すな

ていうかこれもう逃げれるんじゃね?

「あ、動いても殺 すよ」

そう言って球をセットする太宰さん、横から見たら

絵になっただろうなぁ、と呑気なことを考える


『一応、聞きますがこうなってる理由は?』

「手前ェ、惚けんのもいい加減にしろよ

華奏泣かせといて判りませんってそりゃねぇだろ」

ああ、駄目だ、コイツも堕ちてやがる

クッソ当てにならねぇ〜!!

「ていうのはまあ建前で証拠の回収だよ」

「『は?』」

その言葉に私と中原さんの声がハモった、あ、これ

中原さん聞かされてなかったなコレ


「手前ェ、どういうことだ、華奏泣かせたクソ尼を

始末するっつってただろうが」

オイ、コラ誰がクソ尼だ、1億V喰らわすぞコラ

「だからそれは建前だよ、大丈夫?ちゃんと耳ある?」

『否、殺 さないんだったら銃とナイフ降ろしてください

今の状態では手が震えて証拠も取り出せないので』

一見巫山戯て言っているように聞こえるが結構マジだ

普通に怖いし普通に震えてる、刀や剣の類は

使ったことがあっても銃を突きつけられるなんて

前世ではある筈もなかったんだから


「構わないよ、華奏を守てくれたんだから

あまり乱暴はしたくないからね」

だったら最初から銃とかナイフ突きつけたりすんの

やめてくんねぇかな〜?

物騒と乱暴が揃ったような物を人に突きつけるなよ

降ろされたナイフと銃、それに対し私は鞄の中に

手を突っ込んで探り、録音機と写真を出した

「準備良過ぎねぇか?」

「あの時の会話を聞いてたら不思議はないだろう

盗み聞きとは感心しないね」

『誤解を解こうと追いかけたら偶然聞いただけです

一つ言っておきますが全て冤罪ですからね』

「判ってるよ」

その言葉に私の心は少しだけ軽くなった気がした










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