Ep.5 ページ8
会わないように、してたんだけどなー……。
「よぉ。久しぶりだな、A」
なんでこう、爪が甘いかな、わたし。
「うん……久しぶり」
フニャ…ってなんとも微妙な感じで笑ってしまった。対照に、陣平くんは「なんだその笑い方」と言って、フッと笑う。何年経っても相変わらず童顔かつイケメンな我が幼馴染みである。この顔で今まで何人の女を落としてきたことやら。
そんな超絶どうでもいいことを考えていると、斜め背後から「えっ?」と素っ頓狂な声が聞こえた。女の人の声だった。
「この子、松田くんの知り合い?」
振り返った先にいたのは、ショートカットの女性刑事だった。立ち振る舞いが凛としていて、なんだかとても綺麗な人である。
……………。
なんか、既視感。どこかであったことあったか?と記憶を探るけれど、思い当たる節がない。疲れてるのか。
「ああ、幼馴染みだ」
「幼馴染み⁉︎ 」
「萩原さん以外にもいたんですか⁉︎ 」
女性刑事の隣の優男みたいな刑事も、同じように驚きに満ちた声を上げた。わたしを見つけてこの廃ビルまで連れてきてくれた人だった。
その時、任務終わりだったわたしは、こんなトコで職質かよって実は内心めちゃくちゃ機嫌が悪かった。でもこの人、あまりに腰が低い。良いのか悪いのか、警察官っぽい威圧感がない。
なんだか可哀想になってしまって「まぁ、殺人事件現場近くにこんな全身真っ黒の女がいたら、犯行を疑いたくなる気持ちは分からなくもないよな」と無理矢理自分を納得させたのが先刻。なんか苦労してるみたいだし、頑張ってくれ優男刑事くん。
……あぁ、そう。そういえば。事件現場に来た時も、私めちゃくちゃびっくりしたんだよね。
もう、さながら地獄絵図。何がって呪霊が。人間よりも呪霊の数の方が多いのだ。とは言っても低級呪霊ばっかりだったから、何体か呪力を飛ばして払ってみたりしたけど、減った気配もクソもなかった。
もうムリ。で、諦めた。任務で既に呪力消費してるのに、これ以上呪力を使ったら気絶しかねない。すでに頭が痛い。
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やなり(プロフ) - jenniferwu3429さん» 原作は辛すぎますよね……。 (8月13日 18時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
jenniferwu3429(プロフ) - この作品を読む度に禅院姉妹のことを思い出すな (7月13日 3時) (レス) @page4 id: 426e07a7b9 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - RIOさん» お返事遅くなってしまいすみません!コメントありがとうございます!こうしてコメントを、いただくと筆が乗ってしまう単純なわたし……(^-^; 少しづつにはなりますが更新していくので、お付き合いいただけるとうれしいですm(_ _)m (2022年5月28日 9時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 早く続き読みたいです! (2022年5月24日 6時) (レス) @page11 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - sou様、こ、光栄なお言葉をありがとうございます……!あらかじめ書き溜めた分はコツコツ更新していこうと思っています。完結まで私の妄想に付き合っていただけるとうれしいです(*´꒳`*)。ご期待に添えるように頑張りますね!! (2022年5月22日 9時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年5月21日 16時