陌貳拾玖 ページ36
「私がお前達に命じる事は二つ。一つ、私があの忌まわしい産屋敷一族の根城を見付けるまで、此処で待機すること。
二つ、戦いが始まれば鬼殺隊員を殺しつつ、日光を克服した鬼である禰豆子と、暉峻家の娘であるAを捜し、出来るだけ無傷で捕らえること。以上だ。」
「無惨様、出来るだけ無傷というのは多少傷付いても、腕の一本や二本とれてもよろしいでしょうか?」
「死なない程度なら敵わん。…だが油断はするな。暉峻の娘は全ての試練を突破した。並の柱と同じだと捉えない方が良い。」
「……」
「……やはり虧鬼を全て討ち取ったか。
「黒死牟殿、俺は新入り故 虧鬼についてあまり知らないのだが、そんなに彼等は強かったのかい?」
「……鬼の中でも特殊な血鬼術を扱う鬼達を編成したのが、虧鬼だ。中にはお前を凌ぐ者もいただろう。」
「へぇ、それは一度戦って見たかったなぁ!」
「童磨、無惨様の前だ。口を慎め。」
「もう、そんな怒らないでおくれよ猗窩座殿。もう上弦は俺達三人しか残っていないんだし、仲良くしなくちゃねぇ。」
「誰がお前と…オイ、近付くな手を回すな。」
「……暉峻の娘は直接私が捕らえよう。」
「えー、俺もその子とまた戦ってみたかったなぁ。」
「……」
「鬼になったら存分に戦わせてやる。童磨、猗窩座、異論は無いな。」
「「御意。」」
「解散してよい。…黒死牟、お前は残れ。」
「……仰せのままに。」
「あの二人が暉峻を殺さずに捕らえられるとは思っていない。」
「……それほどあの娘は強くなっているのか?」
「あの娘が虧鬼と戦った時、確かに他にも柱がいたが、頚を斬ったのは全て暉峻だ。」
「……」
「ハハハ、想像以上だ。どんどんあの娘は強くなる。手に入れたい、何としてでも。」
「…私が必ず捕らえよう。」
「捕まえるときは慎重にしろ。可能性は低いが、当時暉峻一族が使っていた器具を持っているかもしれん。」
「……藤の花の毒が入った、かつて暉峻一族が鬼の血が体内に入った時に自害する為の道具だったか。…しかし“火輪の巫女”ともなれば、
「あぁ、楽しみだ。暉峻A、お前を必ず手に入れてみせる。」
濃い灰青色の陰りを帯びた暗い月は、酷薄な笑みを浮かべる鬼の姿を静かに照らしていた。
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酸漿(プロフ) - きなこ餅さん» 有り難う御座います。これから続編を書いていくので、そちらの方も是非お楽しみください。 (2019年10月20日 21時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅 - たくさん伏線がはられていて、読む度にドキドキします! これからも更新頑張って下さい! (2019年10月19日 21時) (レス) id: 3d1d19266b (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 神桜佳音さん» 嬉しいコメントありがとうございます(^-^)励みになります。これからもどうか宜しくお願いします。 (2019年10月13日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - ようやく納得しました…!話が深い…。辛い。けど、すごい好きです!無理されないで更新されてください!続き待ってます! (2019年10月10日 19時) (レス) id: 78c574c661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年9月21日 18時