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陌貳拾肆 ページ31

時透君に肩を貸しながら、炭次郎の元に戻る。


「炭治郎大丈夫?」


「あ…と…時透君…良かった…無事で…。刀…ありがとう…」


「こっちこそありがとう。君のお陰で大切なものを取り戻した。」


「え…そんな、何もしてないよ俺…」


「それにしても禰豆子ちゃんはどうなっているのかしら?」


「いやそれが……」


「みんなああああ」


その瞬間、走ってきた蜜璃さんに全員が抱き締められた。


「うわあああ、勝った勝った! 凄いよおお!!」


ちょ、蜜璃ちゃん力強すぎて首が絞まる!!


ほら、この頭側面を刈り上げた男の子も顔を真っ赤に、いやなんか彼は違う気がする。


でも…


「生きてるよおおおお、よかったああ!!」


「よかったねぇ。」


本当に、無事でいてくれて良かった。






「ふぇっぐ、Aちゃん、私本当に死ぬかと思った!!」


右肩を時透君に、左肩を蜜璃ちゃんに貸しながら草原を歩く。


「あの時 間に合って本当に良かったです。」


涙をぽろぽろと流し続ける彼女の姿を見て、ふと足を止めた。


そして振り返って、後輩達に目を向ける。


「みんな、本当に有り難う。君達が誰か一人でも欠けていたら、この鍛冶の里を守る事は出来なかった。」


頭を下げる。次の瞬間、勢い良く皆に抱き締められた。


「うわあああ!! Aちゃんがいなければ、私絶対に負けていた!! 本当に、本当に有り難う!!」


「僕だってAさんの言葉があったから勝てたんです。貴方がいたからこそ、こうして刀鍛冶の里を守る事が出来ました。」


「本当に…Aさんの最後の援護がなければ俺も間に合わなかったかも…しれない。…本当に、ありがとうございます。」


胸の中を、あたたかな感情が満たしていく。


「みんな、本当にお疲れ様。あとはゆっくり休んでね。」


その言葉と同時に気を失い力が抜けた彼等の体重が一気に私に掛かる。慌ててあの男の子が支えてくれて、難を凌いだ。


「有り難う、ええと、君の名前は…」


「えっ、あ、げ、玄弥です。」


熟れた林檎のように顔を真っ赤にして俯く彼を見て、首を傾げる。


玄弥…どこかで聞いたような…


「アッ! 実弥の弟か!!」


「えっ、あ、そうです。」


「ずっと君に会いたいと思っていたの!!」


貴方と話をしたいのは山々だけれども、と背中ですやすやと眠る彼等の姿を見て、小さく笑う。


また今度だね、と互いに笑って再び歩き始めた。

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酸漿(プロフ) - きなこ餅さん» 有り難う御座います。これから続編を書いていくので、そちらの方も是非お楽しみください。 (2019年10月20日 21時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅 - たくさん伏線がはられていて、読む度にドキドキします! これからも更新頑張って下さい! (2019年10月19日 21時) (レス) id: 3d1d19266b (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 神桜佳音さん» 嬉しいコメントありがとうございます(^-^)励みになります。これからもどうか宜しくお願いします。 (2019年10月13日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - ようやく納得しました…!話が深い…。辛い。けど、すごい好きです!無理されないで更新されてください!続き待ってます! (2019年10月10日 19時) (レス) id: 78c574c661 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年9月21日 18時

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