トランクと断罪 ページ41
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世界各国の名だたる魔法使い達がひしめく議会。凝った造りの天井が、緊張感の張りつめた荘厳な部屋に蓋をする。
つい先日、自らが開いたイベントで───
「……お陰で我々全員の存在が暴露されかねない」
「ゲラート・グリンデルバルドを捕まえ損ねている方に言われたくありませんね──」
議員の死は間違いなく「魔法使いの仕業」だった。マグルの──それも有名な人物が大勢の前で「あり得ない」死に方をした。ノー・マジと魔法使いが隔離に近い形で均衡を保つ、アメリカ魔法界においてあってはならない事である。
一触即発。刺すような沈黙を、トランクを抱えて飛び込んで来た一人の女性───ティナが唐突に打ち破る。
想定外の重い空気に一瞬困惑したティナはそれでも、ピッカリー議長の咎める声音に怯む事無く声を上げた。
「議長、昨日ニューヨークに上陸した二人がこのカバンに魔法動物を入れており、しかも残念ながら──何匹かを逃してしまったのです」
「昨日到着したのですか?無登録の魔法使い達が、町中に魔法動物を放った事を、24時間前から知っていながら、死人が出た今になってやっと報告ですか」
「……死人が出た?」
「その魔法使いはどこですか?」
鋭いピッカリー議長の問いかけ。怪しい雲行きにティナは息を呑むも、ここまで来て引くわけにも行かない。彼女は静かにトランクを地面に置いて、それを軽くノックする。
出てきた二人の男のうち、ニュートに目を止めたイギリスの魔法大臣が愕然と声を上げた。
「スキャマンダー?」
「ああ──どうも大臣」
「テセウス・スキャマンダーか? あの戦争の英雄の?」
「いや 彼はその弟だよ。いったいぜんたい、どういうわけでニューヨークにいるのかね?」
「アパルーサ・パフスケインを買いに来ました」
彼の言葉を大臣は信じない。静かに追求しようとした大臣の言葉に返事は無く、ピッカリー議長は更なる説明をティナに求める。
「ゴールドスタイン──もう一人は?」
「こちらはジェイコブ・コワルスキー、ノー・マジです。スキャマンダーさんが逃がした動物に噛まれてしまって……
もう一人──?スキャマンダーさん、彼女は?」
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みかこ(プロフ) - るとさん!読んでくれてありがとう(涙)やっちゃった……こう言うのは勢いだよね((ジェイコブさん良いよね!めっちゃええ人……(尊い)むらむら更新だと思うけどのんびり頑張るね(゜∇^d)本当にありがとう! (2018年12月19日 8時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
木兎宮ると(プロフ) - おお!ついに公開したのだねっ!!(歓喜)ニュートも好きだけど、ジェイコブさんが本当に好き(尊い)ので沢山出しておくれ…(願望)無理せずに更新頑張ってd( ̄  ̄) (2018年12月18日 19時) (レス) id: 68f0c4b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 衛さん» わああ衛さんまで駆け付けてくださって……感謝の言葉が見つかりません嬉しいです(つД`)ジェイコブさんも大好きなので絡ませて行きたい……ゆるっと頑張りたいと思っておりますので気力続く限りお付き合い頂ければ幸いです(涙) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アイカ@低浮上さん» イメログからありがとうございます!何だか絵だけじゃ物足りない気がし始めてしまって……あれよあれよと勢いで公開してしまいました汗お褒めの言葉までありがとうございます!精進します( ;∀;) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» マボ様に読んで頂けたなんて幸いです(涙)そして恐縮でございます汗応援ありがとうございます!自分なりに頑張ります( ´∀`) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかこ | 作成日時:2018年12月16日 20時