Dragon girl【ファンタビ】

グレイブスと少女 ページ46

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「──君には、同じくスクイブの従弟が居たみたいだね、ミス・フィルチ。君があんな死に方(・・・・・・)をした事になって、彼はどうなっただろうか。

魔法を使いたくて失敗、禁術や強力な魔法薬に手を出した……「少女の突然の変死」は噂を呼んだだろう。

スクイブの彼だけじゃない、秘密を隠し通す事になった君の家族だって、恐らく辛い境遇に追いやられた」


「そんなの、貴方には何の関係も無いことよ！それよりマスターを、彼をどうしたの！答えてッ!!」

「シー、」


焦り、激昂した少女の唇に、グレイブスはそっと指を添えた。子供を嗜める様に、それでいて高圧的に黙らせるジェスチャーだ。


この人ってもしかして頭が可笑しいの？
瞳の奥に滲む狂気に、そんな疑問まで過る。


──けれど次の瞬間、彼の言葉に凡ての思考を奪われた。疑問など吹いて飛んでしまう程に。


「スキャマンダー君は数時間前に、ゴールドスタインと共に投獄されたよ。そしてさっき判決が下った。

彼等は死刑だ」


脳の機能が止まり、息が止まり、時すら止まった様な錯覚があった。背中が恐怖で泡立ち、一瞬目の前が白く染まった。この男は、なんと。何を、


「な、にも。彼は、してないわ。なにも。そんな風にされる様な事は、何も。それに、どうして彼女まで」


「いいや、スキャマンダー君はオブスキュラスを「わざと」逃がし、ショー議員を殺した。ノー・マジに魔法使いの存在を示すために。ミス・ゴールドスタインはそれに協力した。

この重罪には妥当な判決じゃないかね？」


「何てバカな事を！信じられない、そんな可笑しな話ないわ！彼はそんな事の為にアメリカに来たんじゃない！ そんなことする人じゃない!
その上協力者がティナさん？同行人で、彼のトランクに居て、身元も無いような私じゃなくてどうして彼女をそう思えるの!?」


滅茶苦茶だわ！と必死に叫んだ。
人為的でこじつけで、それを隠す気もない矛盾だ。そんな判決がまかり通る訳が無い。けれど、グレイブスは笑みを崩さない。それは、崩れない事実の現れだった。


「そう、その通りだ。本来なら君の存在は重要であり、共に刑を受けるべき存在だった。

けれど、これも矛盾だ。
君を公に死刑に出来ると思うか？実は生きていましたと、10年も前にこの世から消えた筈の子供を？

それこそ滅茶苦茶じゃないかね？」

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