5個目の戸惑い ページ7
僕の頭に手を置き、そう言ったドラコニア先輩。
『えっと……ドラコニア先輩……？？』
どうしたら良いものかと、とりあえず先輩の名を呼ぶ。
「あぁ、すまない。可愛らしかったものでな。僕のことはマレウスと呼ぶといい」
『あ、マレウス…先輩』
名前を呼ぶと満足気に微笑む。
それと同時に頭の上にあった手は下に降り、頬に添えられた。
ほんとに、なんなの…！？
なぜ……どうして……！？！？
怖い、というより、恥ずかしくなってしまい、スッと目をそらす。
「…ふむ。1つ聞いていいか？」
『は、はい、僕に答えられることならば……』
「お前…女なのか？？」
そんなことをスパッと聞かれ、わかりやすくも動揺してしまう。
『え、えっ！？いや、まさか、そんなわけ、な、ないじゃないですかっ！？…ほ、ほら、この学校って男子校だし…女なんかが入学出来るわけ……』
そこまで言って、じっと見てくるマレウス先輩と目が合う。
寮長だし、この人には言っとくべきだろうか…
言うことによってばらさないだろうか…
そんな不安もあったが、"大丈夫だ"と言うように再び頭を撫でてくれた。
『…………っっ。どうして……どうしてわかったんですか…』
ちょっと泣きそうにもなりながらそう尋ねる。
するとマレウス先輩は"やっぱり。"とそう言った。
「確信はなかったのだが、強いて言うならばお前の反応と骨格だな」
『カマかけたんですね！？！？』
「そうとも言うな」
『んん〜〜〜っ！！！』
むっと顔を歪ますと、先輩は、はははっと笑い出した。
「そんな顔をするな、可愛い顔が台無しだぞ」
『僕は可愛くなくていいんです！！』
「そうなのか？まぁ良い。そろそろ寮に戻るか、体も冷えるぞ」
『そう…ですね』
気づいたら時間はだいぶ過ぎており、そのことに気づくと、急に眠気に襲われる。
部屋までもたせないと。
そう思いつつ、体に力を入れる。
「A。」
『……なんですか』
「もういいぞ、ゆっくり休め」
それだけ言うと僕の前を歩いていた先輩は立ち止まり前から抱きしめてきた。
離してもらおうと試みたが上手く力も入らないため、もう諦めようと、先輩に体を預けた。
そしてその日の僕の記憶は、そこでなくなった。
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瑠璃唐綿-ﾙﾘﾄｳﾜﾀ-(プロフ) - 日々樹さん» 両方ともありがとうございます！とても励みになりますっ！！これからも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします！！ (2020年4月5日 6時) (
レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
日々樹(プロフ) - 両方の作品見ています。どっちもとってもいい作品なのでこれからも更新頑張ってください。 (2020年4月5日 0時) (レス) id: 28a8182cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃唐綿 | 作成日時：2020年4月3日 15時
