24個目の戸惑い ページ26
[ 待っていろ ]そう言われてから数分もすれば、再び部屋の扉が開く音が聞こえた。
立ち上がるのはさすがに怒られるかなと思ったため、とりあえず上半身だけを起こし、カーテンが開かれるのを待った。
「入るぞ」
『…はい』
声をかけて入ってきたのはマレウス先輩。
昨日のこともあって会いにくかったのだが、なんせ今は逃げ道がない。
諦めるか…
「今日の朝はどうしたんだ」
『……調子が…良かったので、その……い、移動魔法を、使いました』
「セベクが倒れる前から顔色が悪そうだと言っていたが」
『えと、あ、あまり寝つきが…良くなくて……』
「……それは、僕達のせいか？？」
『………いえ…。』
100%先輩達だけのせいではない。が、関係ないとも言いきれないのでとりあえず濁した返事をしておく。
寝れなかったのは事実だ。
そうあやふやだが答えると、マレウス先輩は少し考えてからまた口を開いた。
「すまなかった」
まさか先輩からそんなこと言われると思ってなくて、だいぶ焦る。
『は！？い、いやいやいやいや。先輩達だけのせいじゃないですし、僕のメンタルが弱いのもあるし…てかただ僕自身の話だし、先輩がそんな思い詰めなくても全然大丈夫なんで、僕なんかに謝るのはやめてくださいっっ！！！』
あわあわしつつも、先輩に両手を振りながらひと息で弁解(？)をする。
「………ふむ。」
『そ、その……初日から先輩方にはお世話になってるし、これ以上の迷惑は……』
「僕らは迷惑とは感じていないぞ？」
『……そうだとしても。』
だめなんです。無理なんです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 439人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃唐綿-ﾙﾘﾄｳﾜﾀ-(プロフ) - 日々樹さん» 両方ともありがとうございます！とても励みになりますっ！！これからも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします！！ (2020年4月5日 6時) (
レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
日々樹(プロフ) - 両方の作品見ています。どっちもとってもいい作品なのでこれからも更新頑張ってください。 (2020年4月5日 0時) (レス) id: 28a8182cb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃唐綿 | 作成日時：2020年4月3日 15時
