17個目の戸惑い ページ19
後ろの扉が開く音が聞こえ、思わずそちらを向く。
「おや？リリアにAではないか。こんな時間に何を？」
入ってきたのは先程まで僕が探していた人物。
マレウス先輩だった。
『…………。』
僕は何も言わずに黙る。
それを不思議に思ったのか、リリア先輩の方を向き話し始めた。
「何かあったのか？」
「いいや、特には。ただ話していただけじゃよ」
そこで終わるならまだ良かった。まさか言うとは思っていなかったんだもの。
「Aの性別について、じゃ。のう？A？？」
そう僕に問うが、驚きのあまりに言葉を失う。
なぜ、この人にも言ったのか。リリア先輩は僕をどうしたいのか？？
色々な思いがぐるぐると頭を周り、だんだんと気持ち悪くなってくる。
何か言わなくては。そうは思うものの、口からは声が出ず、ただ息だけがでていく。
マレウス先輩だけならず、まさかリリア先輩にもバレてしまうなんて…
どうしよう。
そう思ったと同じぐらいに、マレウス先輩は口を開いた。
「なんだ、そんなことか」
と……。
そんなこと？？？僕にとっては一大事なのですが？？
『そっ、そうですよね。ほら、ここは男子校ですし女なんて……』
マレウス先輩の言葉に賛同するように言葉を紡いでいくが、それも一瞬で消えることとなった。
「聞かずともわかるだろう？リリア？」
『…………は？？？？？？？？』
「一応、確認したのだ」
ニヤリと笑うリリア先輩は誰よりも怖く、この場から離れたいとものすごく思った。
しかし体は言うことを聞かず固まるばかり。
どうしようも無くなった僕は、もういいや、と2人にぽつりと静かに聞いた。
『…………なんで、わ、わかった…んですか……』
そう聞くと、リリア先輩はふむ…と少し考える素振りを見せてから答えた。
「1番は体つき…まぁ骨格じゃな。見た目がどうあれ、男女の骨格の違いは必ず出てくるものだ。最初から違和感は感じておったがまさか本当とはな」
最悪だ……誰にもバレないように…3年間過ごそうと思ったのに……
こんな短期間で2人にバレてしまうなんて。
『あの……このことは……』
「わかっておる、誰にも言わん」
「誰にも隠したいことの１つや２つあるものだ」
『ありがとう…ございます……』
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瑠璃唐綿-ﾙﾘﾄｳﾜﾀ-(プロフ) - 日々樹さん» 両方ともありがとうございます！とても励みになりますっ！！これからも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします！！ (2020年4月5日 6時) (
レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
日々樹(プロフ) - 両方の作品見ています。どっちもとってもいい作品なのでこれからも更新頑張ってください。 (2020年4月5日 0時) (レス) id: 28a8182cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃唐綿 | 作成日時：2020年4月3日 15時
