9個目の戸惑い ページ11
僕の反応を見た先生は、"分かった。"とだけ言うと、少し離れ全員に聞こえる声でこう言った。
「A･シャミヤール。もう一度やれ。次は本気でだ。」
今の僕には正直言って無理だ。
こんなに焦っていてはできるものも出来ないし、暴走する可能性だってある。
それをわかっていて先生は言っているのか！？
マジカルペンは握っているものの、手汗が酷い。
いや、手汗だけではない、鳥肌も震えも酷い。
こんなことになるならばこの授業だけでも抜けておけばよかった。
そう下唇を噛みながら俯くと、先生は僕の思考がお見通しだと言わんばかりに続けた。
「お前ならば暴走するはずがない。大丈夫だ。
何かあったとしても俺がいる。飼い犬の面倒くらいみれなくては飼い主ではないからな」
ふんっと煽るように言ってくる先生に。
僕もどうにか心を決める。
『言い…ましたね、先生……？何かあっても、僕…知りませんから…』
そう呟き、深呼吸をする。
ジグボルト君に言われたことは、確かにそうだ。正論である。
僕のせいでディアソムニア寮が悪く言われるのは良くない。
ならば、僕の出せる最大を出すまで。
馬鹿にされないように、僕の力を見せつけるように……！！！
マジカルペンを握り直し、両手を前に出して目をつぶり魔法をイメージ。
僕の得意魔法は風。
風をもっと大きくすごい様に見せるためには……？
炎と水をも両方だし、風を使って互いが互いで消さないように調節をするのみ……！！！！
『はぁぁぁぁぁぁっっっっ！！！！』
ボウｯｯｯｯｯ
と僕の前には、風、炎、水がねじれながら上へと昇っていく大きな柱が現れた。
よっし！！！イメージ通り！！
出現させても維持できなくては仕方ない。
消えないようそれぞれの量を調整しつつ少し操る。
こんなに思いっきり使ったことはなく、久々だったため楽しいという気持ちが勝り僕は笑みを浮かべる。
「Goodboy。やればできるんだからやればいいものを……
そこまでだ。」
先生の止めの合図が聞こえ魔法をふっと消す。
想像以上の出力で出してしまったため、体力を持っていかれその場にへたれこむ。
つ、つかれた…………………。
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瑠璃唐綿-ﾙﾘﾄｳﾜﾀ-(プロフ) - 日々樹さん» 両方ともありがとうございます！とても励みになりますっ！！これからも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします！！ (2020年4月5日 6時) (
レス) id: 9ef8fa1231 (このIDを非表示/違反報告)
日々樹(プロフ) - 両方の作品見ています。どっちもとってもいい作品なのでこれからも更新頑張ってください。 (2020年4月5日 0時) (レス) id: 28a8182cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃唐綿 | 作成日時：2020年4月3日 15時
