私の夢のような1週間! ページ8
私は母に適当な返事をしておく。すると父が、何かを思い出したように言う。
「そういえば今週末といえば、あのジェーン彗星が見れる日だな、
私を名指しするお父さん。お父さんは天体観測が趣味で、お父さん専用の望遠鏡がある。
だけど、私はそんなに興味がある訳じゃない。あのジェーン彗星ってどのジェーン彗星よ。はっきり言うのは目を輝かせているお父さんに何か申し訳ないので、頼んでみるとだけ言っておいた。
ごちそうさまと言いながら手を合わせ、自分の部屋に戻り、夏用の上が白い制服を着て、カバンの中身を確認する。
教科書、ノートにスマホとイヤホン、あとシンプルなデザインの筆箱っと。完璧だな。
部屋の鏡を見て自分の短い黒髪を整えると、私はカバンを背負い、再び下に降りる。机の上に置いてあったお弁当をカバンに入れ、いってきますと言いながら玄関のドアを鍵を使って開ける。
「事故に遭って死ぬなよー」
誰が死ぬかっ! 凛子の言葉に少し苛立ったが、すぐ後に母の凛子を叱る声が聞こえたので、いい気味だと思いながら家から出た。
家から出ると、とある女の子の姿が見えた。その子は私の方に向けて手を振り、元気よく言う。
「凛央ー、おはよっ!」
私の親友の、
私も優花に同じ内容を返し、一緒に学校へ向かう。
昨日のテレビの話をしたり、好きな芸能人の話をしたりしながら歩く。これは日常のワンシーンだ。
優花はお調子者で、一緒にいるととても楽しい。2、3個の話題で話しただけでもう学校に着いてしまった。
学校の門を通ろうとした時、後ろから肩を叩かれ、呼びかけられた。
「よう、凛央」
その声の主に、後ろを振り向き、返事をする。
「おー、
黒髪のちょっぴりツリ目気味な彼、
そして……私が、異性として意識している人。
まだ告白とかはしてないけれど、優しくてかっこよくて、でもちょっと料理が下手だったり不器用なところがあって。一緒に受験勉強し始めた時から、いつのまにかそう思うようになっていた。
肩を叩かれたのも、心の中じゃすごく嬉しくて、今すぐ昇天してしまいそうなほど。でも、態度にだすのは恥ずかしくて、あくまでも自然にしているフリをしてしまう。
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