Ep.08 フルーツサンド ページ8
「うん! ボク、この上に住んでるからポアロにはよく来るんだ。Aさんがお店に入ってくのが見えたからつい……」
「そっかそっか! こっちおいでよ、好きなもの頼みな! お姉さんのことは財布だと思って!」
「いいの? やったー!」
「あはは、財布って……はいAさん、ご注文のメロンソーダフロート!」
「ありがと! で、江戸川くんは何がいい?」
「オレンジジュース!」
梓がジュースを注いだグラスをカウンターに置くと、コナンは「ありがとー!」と笑顔を見せたあと興味津々の様子でAへ向けて質問を繰り出した。
「Aさんって前はどれくらいここに通ってたの?」
「うーん、どれくらいって言っても……」
「Aさんは結構来てくれてたのよ! 少なくとも週に二回は……平日のモーニングが多かったですよね?」
「そうそう、朝ごはんに。寝起きに自分で用意するのって面倒だよね〜」
「あるある!」
顔を見合わせ笑い合う。
メロンソーダの上に乗ったアイスクリームをスプーンですくって一口食べ、嬉しそうに頬を綻ばせるAをまた見上げた。
「平日ってことは、お仕事前に?」
「んー。なんていうか……私、普段はエンジニアみたいなことやってるんだけど、会社に務めてるわけじゃないんだよ。決まった始業時間とかってなくて仕事前っちゃ前なんだけど……」
「じゃあフリーランスなんだ」
「そういうこと!」
ややあって、フルーツサンドの皿が現れた。
「はーい、おまちどーさま!」
「ありがと〜! って……何コレすごいかわいいキレイ! 写真撮っていい!?」
「どうぞどうぞ! 安室さん効果でJK客が劇的に増えてきたから、若い子にウケるようにいろいろ工夫してるの」
「安室さん効果?」
手早く一枚を収めて、サンドイッチにかじりつく。聞き慣れない名前にきょとんと丸くなった目がパッと輝いた。
「おいし〜! ねえねえ江戸川くん、コレ美味しいよ、ちょっと食べてみない?」
「え!? いや、ボクはいいよ……」
「そっかあ。甘いもの好きじゃないのかな?」
やや不思議そうにそう言うが、昨日も居合わせたコナンにとってAはこちらが首を傾げたくなるほどの甘党だった。
ケーキとバニラオレ、フルーツサンドにメロンソーダ。ついぞ彼女が甘いもの以外を食べているところを見たことがないのである。
指についたクリームを舐めてAは店の奥を一瞥する。
394人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
上坂 - 夢主好き💛 (2023年1月19日 21時) (レス) @page14 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主好き💜 (2023年1月4日 18時) (レス) @page32 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆(エモジシクジッタタメサイソウイタシマス) (2022年12月13日 3時) (レス) id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - おめでとうございます!!!!!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2022年12月13日 3時) (レス) @page25 id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - はじめまして!ほろにがクラゲ★様いつもの楽しみに読ませていただいております。本当にコナンの世界に出てきそうな感じの夢主さんでこれからの展開にワクワクしております。卒業試験頑張って下さい!! (2022年12月1日 15時) (レス) @page13 id: 33a5069289 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2022年11月25日 16時