Ep.33 りんご飴 ページ33
「しっかしまさかFBIだけじゃなく公安とも手を組んでたとはね……キミ、いったい何者？」
そう尋ねると、江戸川くんは子供のような目で見返してから、ふっと口角を上げて笑った。
「江戸川コナン。探偵さ」
──────────────
広場に並んだキッチンカーから戻ると、Aはパッと顔を明るくしてカップを受け取った。
「わあっ、ありがとー！ 食べてみたかったんだよね、専門店のりんご飴！」
「りんご飴の専門店なんてあったんだね……」
「でもホントにもらっちゃっていいの？ 江戸川くんに協力したのは、あのときも言ったけどサービスだからさ。まあ恩を売っとこうって算段はあったけど」
「うん、だからこれはボクと安室さんからのお礼だよ。ね、安室さん」
「ああ。こんなものでいいなら、だけれど……」
「そう？ じゃ、遠慮なく！ いただきまーす！」
カットされたりんご飴を口に放り込むと、幸せそうに顔を綻ばせる。ふと、コナンは初めて出会ったときに彼女が食べていたケーキを思い出した。
「(……確か、Aさんが食べていたのはベリー系のズコットケーキだったよな……)」
ベリーもリンゴもただ甘いだけではなく、酸味と甘味がバランスよく混在するからこそ「甘酸っぱさ」が生まれる。
けれど彼女は酸味を感じ取ることができない。
甘いか、甘くないか。それ以外の要素は彼女にとって雑味……いや、無味でしかないのだ。
でも彼女は、同じものを食べた他の誰よりも、ずっと幸せそうに────……。
「あれ？ 江戸川くんは食べないの？」
「え？ あ……」
「せっかく買ってもらったのに。ね、江戸川くんに買ってあげたんでしょ？ イケメンさん」
もうひとつのカップを手に安室を見上げる。無難な微笑みで返され、彼女がそうしたように竹串をつまみ上げひと欠片のリンゴを齧る。
「……甘いね」
「ね！」
今の彼女は、いつもと同じ笑顔だった。
「それで……二人はどうしてこんなところまで私を探しに？」
「それについては、それぞれ別の用事があったものでね。コナンくんからの用件はさっきの話だ」
「あ、アレ用事だったんだ？ 真相を確かめに来たって感じ？ 探偵だねえ」
「うん、まあね……」
「じゃあ安室さんの用事ってのはいったいなんなのかな？」
Aが竹串をリンゴに刺す。まるで答えを分かっているかのように笑いながら。
「もしかして……私のことを組織に報告してないのと関係があったりする？」
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上坂 - 夢主好き💛 (2023年1月19日 21時) (
レス) @page14 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主好き💜 (2023年1月4日 18時) (レス) @page32 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆(ｴﾓｼﾞｼｸｼﾞｯﾀﾀﾒｻｲｿｳｲﾀｼﾏｽ) (2022年12月13日 3時) (レス) id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - おめでとうございます！！！！！( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2022年12月13日 3時) (レス) @page25 id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - はじめまして！ほろにがクラゲ★様いつもの楽しみに読ませていただいております。本当にコナンの世界に出てきそうな感じの夢主さんでこれからの展開にワクワクしております。卒業試験頑張って下さい！！ (2022年12月1日 15時) (レス) @page13 id: 33a5069289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2022年11月25日 16時
