Ep.95 良い子が帰るのは ページ45
すると助手席からコナンくんが顔を覗かせた。彼は私と目が合うと不敵に口角を上げる。事件の真相を見抜いた時のドヤ顔によく似ていた。
「ボクから赤井さんに言ったんだよ。A姉ちゃんは怪しいけど、危ない人じゃないと思うよって」
「……それは、私を信用してくれた……ってことかな」
「あ、いや……あっ、うん！そう、信用！」
「……正直に」
「……言っても、怒らない？」
「怒らない」
困り眉で控えめに言うものだから、つい瞬間でそう応えてしまった。
知ってるよ高校生でしょ、うるせえかわいいものはかわいいんだよ。
「……あの組織では生きていけない部類の人間だと思うから…」
「ああ、馬鹿って？やっぱちょっと怒っていい？」
車はなかなかのスピードを出しながら、着実に首都高を抜けて行く。
「さて、とりあえず君に聞きたいことは山ほどあるが……」
……ですよねぇ。
ああ、まったく……どれほど質問攻めにされることか。体中負傷してるのも相まって、泥のようにぐったりとした気分になった。
「まずはその傷だ。同僚に連絡を取ってこちらの顔の聞く医者に話をつけてもらっている。俺は今顔を出すわけにはいかんのでな」
「ああ……そういう作戦だっけ……」
「……その件についても知っているのか。なら話が早い」
「それよりも、コナンくんはどうやって家出てきたの…。もう真夜中だよ……？」
「ち、ちょっとこっそり……、」
「よーし運転手さん病院は後にして探偵事務所までお願いします」
「ふむ……、そうしようか」
「ええっ！？い、いや、ボクは大丈夫だから先に病院……」
「小学一年生。深夜一時。さて、良い子が帰るのは何時でしょう…？」
「……ごめんなさい…」
しおらしくするのは、赤井さんがいるからか。それとも私がその顔に弱いことを知っているからか。
いいか、私が言うのもなんだが、たとえ高校生でもこの時間は補導だからな。
結局私は先に病院の裏口で下ろされ、待機してくれていたFBIのジェイムズさんに肩を貸してもらい、その後軽い緊急手術。
ひととおり事情を聞いたらしいジェイムズさんには「いったい何故そんなことに……」とえっらく心配され、お医者さんには「よくこの状態で裏口から歩いてきたね！？」と頭を抱えられた。
夜明けも近い午前五時、いろいろ散々な夜は病院のベッドの上でようやくひと段落を告げたのだった。
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凛 - 絵上手いですね！話も面白いし！ (2018年5月5日 11時) (
レス) id: f39fd1d36e (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - えっ！嘘だろ千世ちゃん！いつも楽しく読ませてもらってます！更新楽しみにしてます！ (2018年2月18日 0時) (レス) id: 26cba6f424 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 続きが気になる！ (2018年2月17日 14時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
星鴉(プロフ) - 面白いです！！続きが気になります！！更新楽しみにしてます！ (2018年2月17日 11時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 続きが気になります！ (2018年2月16日 10時) (レス) id: 229e64c922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2017年10月18日 11時
