検索窓
今日:1 hit、昨日:396 hit、合計:1,162,079 hit

Ep.78 どう思ってる? ページ28

それから15分くらいして、またインターホンが鳴った。お見舞いに来てくれる人他にいたっけ、とモニターを見ると見慣れた友達の顔が映っていた。


「あー……ごめんみんな、友達来ちゃったみたい」

「そっか。ならボク達は帰るね!」

「お邪魔してごめんなさいね。お大事に」

「おいオメーら、行くぞ!」

「…………コナンくんって二重人格だったりしないよね?」

「し、しないよ……」


よく似たランドセルを持って五人がバタバタしだす中で、コナンくんの豹変ぶりが面白くて、少しからかってしまった。

……そうだ。この機会にもう一押し、からかってみるか。


「ね、ちょっといい?」

しゃがみこんで目線を合わせた。彼は振り向いて続く私の言葉を待つ。




「今私のこと、どう思ってる?」

「え?」



走って玄関に向かう四人(哀ちゃんは一瞬振り返っていたが)、動揺したように見えるコナンくん、私はわざと明るく微笑みそのまま続けた。


「今日ね、あまりにヒマだから考えてみたんだけど、面倒だから単刀直入に聞こうと思って。キミはほら、嘘をつかない(・・・・・・)じゃない?私と違って」


表情で大体嘘か分かる(ただしコナンくんに限る)のをいいことに、もう調子に乗るわ乗るわ。

私なりの「私に嘘はつけないよね?」っていう脅しだ。どうせ通用しないのだから、と。まあコナンくん眺めて早二年の私ですし?おいそこストーカーって言うな。

でもこれで言ってくれるかなぁ。人の本心を探るのは苦手だから、直接話してくれた方が楽なんだけどな。警戒されてたら難しいか。

そんな思いとは裏腹に、意外にもコナンくんはあのジトっとした目で割と生意気な態度をとってきた。


「愉快犯」



……そう来たか。

とうとうバレたのだ、私が怪しい人物などではない。本当に「嘘をつくのが楽しくて」嘘を重ねているだけなのだと。


……え?ちょっと待て!そしたら私のやってきた奇行全部パァじゃん!?

私が頑張って醸し出してきた怪しい人オーラは!?なんでも知ってる謎の中学生設定はどこへえぇぇ!?

ま、ままま、まだだ!希望を捨てるな……!
必死に表情筋をフル活用して笑顔をキープ。でもどうも頭が働かず何も喉から出てこなかった。

Ep.79 もう一度死んだって→←Ep.77 来てくれただけで



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (548 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1250人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 絵上手いですね!話も面白いし! (2018年5月5日 11時) (レス) id: f39fd1d36e (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - えっ!嘘だろ千世ちゃん!いつも楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます! (2018年2月18日 0時) (レス) id: 26cba6f424 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 続きが気になる! (2018年2月17日 14時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
星鴉(プロフ) - 面白いです!!続きが気になります!!更新楽しみにしてます! (2018年2月17日 11時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になります! (2018年2月16日 10時) (レス) id: 229e64c922 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2017年10月18日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。