Ep.70 なんで探偵なんか ページ20
公園の横を通って、真っ直ぐ家へ帰るターゲット。
これまで怪しい事は無いようだが、当然ここで引き下がるような捜査ではない。
仮にも探偵。小さなデジカメをどこからか構えると、 うっつーは公園のベンチに腰掛けて後ろの家をちらりと見た。
「……彼女ほったらかして即帰ってきたってことは、会うのかな。そのクロに近いっていう女子と」
「さあねぇ？探偵調査ってのは体力と根気勝負の長期戦だし……」
「そりゃそっかぁ。うっつー、意外と探偵やってんね」
「い、意外とって失礼な！あたしは生まれながらの探偵なんだから！」
「そもそもなんで探偵なんか？依頼って言ってもお金取らない以上、ボランティアのお悩み相談じゃん」
私は椅子の背もたれに軽くよりかかり、前々から気になっていたことを聞いてみる。唇をとがらせていた彼女が突然口をつぐんでこちらを見つめる。
「……な、何？」
「それはね……」
いつもよりも真面目な顔に見える。私は黙って次の言葉を待った。
「やっぱ、なりたかったからかな！」
「……あっそ」
にぱ、と擬音でもつきそうな笑顔で言われ気が抜ける。しょせんは趣味か。
改めて深くベンチに腰掛けると入れ替わりにうっつーが立ち上がり、「ちょっと飲み物買ってくる」とデジカメを渡された。
少し様子がおかしいとも思ったけど、悩み事って感じでもなさそうだから干渉しないことにした。
公園の外の自販機に向かう後ろ姿を見ながら、なんとなくデジカメを起動して、鮮やかな空をモニターに映してみる。
「……あれ、そういえば死体遺棄事件とかなかったっけ……」
ふ、と昨日のことを思い出す。あれから一切連絡は無い。うちに不法侵入した犯人がまだ捕まってないとなると、やっぱり不気味な気分だった。
そういえばこの事件のことうっつーに言ってないな。どうせだし、戻ってきたら報告しておこうかな。
「あの、すみません！」
そんなことを考えていると、正面から声がした。
どうやら子供のようだからボールでも転がってきたかとデジカメを下ろし目線をなんとなく向けた。すると同時にひどく驚いて、手元のシャッターを切ってしまった。
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凛 - 絵上手いですね！話も面白いし！ (2018年5月5日 11時) (
レス) id: f39fd1d36e (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - えっ！嘘だろ千世ちゃん！いつも楽しく読ませてもらってます！更新楽しみにしてます！ (2018年2月18日 0時) (レス) id: 26cba6f424 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 続きが気になる！ (2018年2月17日 14時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
星鴉(プロフ) - 面白いです！！続きが気になります！！更新楽しみにしてます！ (2018年2月17日 11時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 続きが気になります！ (2018年2月16日 10時) (レス) id: 229e64c922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2017年10月18日 11時
