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Ep.07 どういうこと? ページ7

周囲の人々が慌てふためき、足早に通り過ぎたり、悲鳴を上げて蹲ったり、混乱が視界の端から端に映る。耳元で聞こえる硬い拍動。休日の街に突如訪れる非日常。

「……元太達はここにいてくれ! もしこのビルから誰か出てきたら、足止めするか顔を覚えるんだ!」

「コナンくん!?」

「それから……」

子供たちの問答も半ば意識の外だった。

石像のように固まった膝を動かして、一歩、また一歩、死体へ歩み寄る。

ローファーが血溜まりを踏む。心が麻痺していた。

何が起きた?

分かってる。理解はしてる。

この際、ラッキーと言うべきだ。あと少しで誰かが巻き込まれていた。それは私だったかもしれないのだから。

けれど夢うつつだった。

不自然だ。あまりに不自然。まるでこんなの、物語のようじゃないか。

私が彼に話しかけた瞬間、目の前で事件が起こり、一瞬にして往来が騒然とした。誰かが仕組んでいるようなタイミング。だからこそ、夢や幻ではないと確信しているのに、確かめたくなってしまう。

「待ってください!」

ビク、と肩が跳ねた。私はその場で膝を折り、アスファルトに転がる背広へ手を伸ばしかけたところだった。

声の方を見上げる。子供がいた。さっきの子供たち。

私は知っている。彼らは、少年探偵団だ。

「救急車か警察が到着するまで、このまま現場保存です! 死体に触らないでください!」

「あ……いや……」

「お姉さん、歩美たちと一緒に待っててくれる?」

「コナンにそう言われたんだよ!」

別に私は現場を荒らそうとした訳じゃないんだ、と弁明しようとして口が止まった。

……コナン?

また違う意味で気が動転した。

"コナン"に彼らが頼まれたのは現場保存か? 通行人の足止めか?

それとも……"私"の足止めなのか?

思わず簡素な疑問が口をついた。

「……どういうこと?」

「証人をこの場に留めるように言い付けられてね。悪いんだけど、しばらくここにいてもらえるかしら」

携帯で何かを話していた女の子がそう言って割り込んでくる。救急車と警察への通報が済んだところだろうか。右往左往した挙句野次馬に成り果てた大人たちよりよっぽど頼りがいがある。

だけど私は「証人」という言葉に引っかかった。

「証人なら……君たちが」

「私たちだけじゃ弱いのよ、子供だから。あなたがいてくれると助かるの」

「…………」

……わざとらしく「子供」を持ち出すってことは、なんかあるな。企みが。

Ep.08 五階の窓→←Ep.06 五人の子供たち



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ほろにがクラゲ(プロフ) - カミレさん» 以前から!ありがとうございます🙏😊✨自分が好きなものをずっと書いてますが、喜んでくれる方がいると思うととっても嬉しいです…!✨ またよろしくお願いします! (2021年11月2日 15時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
カミレ(プロフ) - 以前からほろにがクラゲさんの作品が大好きです。久しぶりに占ツクに来てみたら、新しい作品があってとっても嬉しいです。お話の構成とスピード感、尊敬してます。今回も面白いお話をありがとうございます! 応援してます! (2021年10月29日 14時) (レス) @page14 id: 6ee71cea05 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ふれあさん» コメントありがとうございます!ホントですか…嬉しいです…🥺更新頑張ります! (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - 鈴凛さん» コメントありがとうございます!お好きと言っていただけると自信になります…✨✨ (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - snowcatさん» コメントありがとうございます❗あっという間…好み…とっても嬉しいです…😊✨これからも頑張ります! (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2021年9月7日 21時

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