鈴木財閥の裏表レディは怪盗の相棒【天空の難破船/名探偵コナン】

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「え？ 園子お姉さんのお姉さんって、アメリカにいたの？」

目を真ん丸にした歩美がAを見上げる。代わりに答えたのは園子だった。

「そうよ！ 小学校の頃に留学してたんだけど、高校卒業してからまたあっちに住んでるのよ。そんで私とは三つ違いだから、つい最近まで蘭も会ったことがなかったのよね」

「そういえばお久しぶりですね！ ベル・ツリー1世号のために日本に戻ってきたんですか？」

「ちょうどそろそろこっちに帰ろうと思ってたの。最近家に顔出してなかったし、それに……空の上は好きだしね」

四角く切りとった窓に見える絶景。トロピカルランドの『化学と宇宙の島』にある観覧車も、確かによくできたオモチャのように見えた。

「でも確かに、こんな所に怪盗キッドが来るなんて思えないかも……」

「ちょっとちょっと、姉貴まで！ キッド様は絶対来るんだから！」

「だって予告状のせいでもう警備は厳重なんでしょ？ どうやって入り込むのか不思議じゃない？」

「と、ところで……今回の客はワシらだけなのかな？」

言い合いに発展しかねない二人を見兼ねてそう言い出したのは阿笠だった。飛行船のプロムナードデッキは閑散としていて、時折通りかかるのは飛行船のスタッフのみ。

「ええと、確か……ルポライターの藤岡さんって人が……あ！ あの人よ」

園子が視線をやった先には、いかにもライターといった雰囲気のくせっ毛の男性が階段を上がってくるところだった。

「それに日売テレビの……ほら、」

そのとき、椅子に座って背を向ける小五郎に話しかける眼鏡の男性がいた。少し小太りだが、中年と呼ぶにはまだ少し若いようにも見える。

「ああ、確かディレクターの水川さん。それに女性の方がレポーターの西谷さんで、カメラマンの男性は石本さん」

「それにしても、こんな飛行船からの中継がたったの三人とはねー……」

「仕方ないんじゃないの？ ほら、あの件……」

一週間前、ネットに予告を出したテロリスト集団『赤いシャム猫』。殺人バクテリアを盗んだあと研究所を爆破して、七日以内に次の行動を起こすと発言した。

「海外でもネットニュースに上がってたよ……当然だろうけど。殺人バクテリアなんて、どう贔屓目に見ても凶悪なバイオテロだもの」

「そういえば七日以内って言うと、今日がその期限ですよね……」

蘭の言葉に頷く。そのときフロアに入ってくる者がいた。

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