Ep.もしも私が縮んだら ページ6
「いやでも、危なかったよ。だってあの薬って高確率で死ぬんでしょ。幼児化するのは稀だって実験結果が出てたはずだけど」
「その通りよ」
スリッパをぱたぱたと鳴らして哀ちゃんが顔を出す。タオルと綺麗に畳んだ子供服を抱えていた。
「はい、着替え。今日はこれ貸してあげるから、風邪ひく前にシャワー浴びてらっしゃい」
「ありがと、哀ちゃん。いやしかし奇跡的だね、あの薬の副作用で縮んだ人間が三人も揃うとは」
「呑気なものね……」
哀ちゃんが溜め息をつく。
だってコナンクラスタなんだもの、仕方ないじゃない。
「APTX4869を服用したのは、もちろん工藤君や私だけじゃない。リストにして束になるほどの人間やマウスが同じものを体内に取り入れ、ことごとく死んで行ったわ」
「いざそう言われると想像以上に深刻」
「奇跡や偶然なんかでは説明がつかない"何か"のようにさえ……思えてくるわね」
「あーロマンチックなやつ?」
「そうじゃなくて」
二人分の呆れた視線を喰らいながら、博士に一言声をかけて、小さな歩幅でお風呂場へと向かった。
洗面台の前に立って、鏡の向こうを見る。ぼさぼさの短髪と濡れそぼった最悪の身なり。
台に昇らなきゃ自分の格好も見れない背丈。なんと情けない姿だろう。
いや…………
正直ワロタ。
だって縮むとは思わないじゃんて。死んだと思うじゃんて。
なんだろう、この名探偵コナン第一話との温度差。同じ状況なはずなのにな。
__________
「ただいま〜」
「早っ」
柔らかいタオルで髪を拭きながら戻ると、コナンくんが帰ろうとしているところだった。
私を置いて帰るのか、薄情者め。でも好き。
「哀ちゃんは?」
「研究室」
「わっ二人共意外と興味なさげ。泣くぞ」
「ガキらしくていいじゃねえか」
「ちくしょういつか泣き喚いてやる」
「やめてくれ、目に余る」
「コノヤロ」
ドアノブに手を伸ばす彼は、真っ直ぐに立った私の目線よりも少し背が高い。
「学校には通うのか?」
「通いたいなぁ」
「クラスは別だといいな」
「なんで!一緒がいいよ!」
「やだよ」
「ホント酷いよね、ツンデレ?」
しまいには「殺すぞ」みたいな目で睨まれて、結局彼はそのまま帰った。
さて、また名前を変えなきゃいけないのか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
コナンなら1度はやりたいネタ。
ラッキーアイテム
マスク型変声期
ラッキーキャラクター
スコッチ
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popo(プロフ) - 前にこの作品を読ませていただいて、またまた最初から完結まで読んでしまいました!!番外編のゼロの執行人や紺青の拳の続きが見てみたいです!いつまでも待ってます!! (2023年4月9日 8時) (レス) @page3 id: b53f6e36c7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - 雪希さん» コメント気付かずごめんなさい!!嬉しいお言葉に重ねて、リクエストありがとうございます♪素直な夢主ちゃんのお話!これは…面白そうですね(笑)(∩´∀`∩)ではでは近いうちに書かせていただきますので、少々お待ちくださいませ! (2020年4月8日 19時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
雪希 - 神作品を三ヶ月ほど見つけれずにいた馬鹿です。今1から読み始めて番外編にたどり着きました。作者様がまだ活動しているならで良いのですが、リクエストいいですか?もし夢主ちゃんが超正直になったらみたいなのお願いします。題名関係なくなってますねすみません。 (2020年1月28日 18時) (レス) id: ee1ea794b0 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ノルンさん» わわ、ありがとうございます!お待たせしてすみません…(`-д-;)書きたい時に書くだけの自己満足ものにお付き合い下さって、とてもありがたいです…!ヽ(*´∀`)ノ (2019年7月31日 0時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新お疲れ様です!!!待ってました!!!有難うございます!読めて嬉しいです!! (2019年7月30日 23時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2018年7月9日 23時