Ep.異次元の邂逅 ページ18
ああ、何かがおかしい。これはまるでバグだ。私がこの世界に存在することで起きた歪み。いや、それとは似て非なる何か。
「……あなたが組織に狙われてる理由はそれ? 知りすぎたのね、その友達のせいで」
「いや……」
胸がわずかに大きく鳴る。もしかしたら、まだ世界が繋がっているのかもしれない。
ゆっくりとまばたきするように瞼を閉じて、ただ一点、ニコラシカの覚めかけた双眸を見据えた。
「初めから知ってたよ……この世界に来た時からね」
その瞬間、初めてその瞳に私の姿が映った気がした。
瞳の中に煌めいた刹那の感情を見て、私は確信した。ああ、やはり彼女もそうなのだ。私と同じ───────
「ここは名探偵コナンの世界、そして私達はイレギュラー。そうだよね? ニコラシカ」
「……驚いた。あなたもそうなの?」
「はは……縁でもあるのかな……ってか待って困るんだけど。他の転生者はいないだろうって赤井さんに言っちゃったわ」
「赤井さん!? あっ何、もしかして"そっち側"!? えっえっ、何、そーいうこと!?」
彼女の言うことは分かる。私が「江戸川コナン」サイドについているのかということだ。
それよりも私は、彼女……ニコラシカと名乗るその人の雰囲気が、ガラリと変わったことに驚いた。これじゃただの女の子……いや、もはやオタクだ。
「まあいろいろあってさ……組織ともなんやかんや縁はあるし……」
「へ〜。で、転生?」
「転生っちゃ転生だけど、まだこっちに来てから一年も経ってなくて」
「えっ嘘。私完全に生まれ直したよ」
生まれ直したってなんだ。いや、一応相手は拳銃を持ってる。受け流しておくか。
「記憶を取り戻したのはつい最近なんだけどね」
「ふうん……え、ちなみにさっきの……悪い女っぽい感じは……?」
「キャラ」
「キャラかよ!!」
「というより、前世の記憶を持つ以前の私。コードネームはニコラシカだけど、本当の名前も……あ。そうだ」
忘れてた、とニコラシカは頓狂な顔で手を叩いた。
「あなたの本当の名前も教えてよ。偽名でしょ?」
「……まあね」
今の今まで銃を握っていた手を差し出し、彼女は微笑んだ。ただ……私の顔はまだ少し、引きつっていたと思う。
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相変わらずお久しぶりの更新です。
たまに書きたくなるんだこの夢主。
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マスク型変声期
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スコッチ
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popo(プロフ) - 前にこの作品を読ませていただいて、またまた最初から完結まで読んでしまいました!!番外編のゼロの執行人や紺青の拳の続きが見てみたいです!いつまでも待ってます!! (2023年4月9日 8時) (レス) @page3 id: b53f6e36c7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - 雪希さん» コメント気付かずごめんなさい!!嬉しいお言葉に重ねて、リクエストありがとうございます♪素直な夢主ちゃんのお話!これは…面白そうですね(笑)(∩´∀`∩)ではでは近いうちに書かせていただきますので、少々お待ちくださいませ! (2020年4月8日 19時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
雪希 - 神作品を三ヶ月ほど見つけれずにいた馬鹿です。今1から読み始めて番外編にたどり着きました。作者様がまだ活動しているならで良いのですが、リクエストいいですか?もし夢主ちゃんが超正直になったらみたいなのお願いします。題名関係なくなってますねすみません。 (2020年1月28日 18時) (レス) id: ee1ea794b0 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ノルンさん» わわ、ありがとうございます!お待たせしてすみません…(`-д-;)書きたい時に書くだけの自己満足ものにお付き合い下さって、とてもありがたいです…!ヽ(*´∀`)ノ (2019年7月31日 0時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新お疲れ様です!!!待ってました!!!有難うございます!読めて嬉しいです!! (2019年7月30日 23時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2018年7月9日 23時