【名探偵コナン】嘘をつくのが趣味なので。【トリップ】

Ep.38 起きてる？ ページ38

「君はコナンくんの友達なんだろ？ボクが言うのもなんだけど……後ろで大人しくしてる分には大丈夫なんじゃないか？」





……いやいやまさかそんな、都合よく行くわけないだろう。コナンくんの友達？そんなの次郎吉のじいさんからすれば姪っ子の友達の居候の友達(初対面)だぞ。知り合いでもねーしなんの縁もねーよ。


いやさすがに……と断ってうっつーを連れて行こうともう一度視線を向ける。すると今までいたところに彼女はおらず、どこかと見てみれば次郎吉じいさんと何やら話していた。





「桔梗〜！いてもいいって〜！」



「……いいんかい……」





うっつーが嬉しそうに手を振っていた。



それでいいのか、鈴木次郎吉相談役。






……





それから、一時間以上経ったはずだ。


私は赤面の人魚(ブラッシュマーメイド)のエリアにはいなかった。私は遠慮すると言って、あのフロアを出たのだ。


そうして今までこのトイレ前の人気の無い通路で暇を潰していた。


閉館時間を過ぎた注意喚起のアナウンスがもう何度か響いているが、知ったことではない。今頃うっつーは怪盗キッドが見られなくて残念がっているだろうか。


それとも全部が全部解き明かしてたりして。…………いや、趣味だしな。趣味探偵にそんなレベルで健闘して欲しくない。


正直に予想をするなら、彼の謎解きを聞いて溜め息でもついてるんじゃないかな。


窓の外を見上げて、スマホの画面を切る。


外は綺麗な星空だ。廊下の先から、いくつかの足音が聞こえてきたのに気付いて足音の方向へ向かう。謎解き推理ショーが終わったのだろう。


男子トイレの前を通る時に、ぴたり。足を止めた。





「起きてる？」




そこにいるんだったよね。私の"模範解答"にはそう書いてある。


中からガタリと音がした。




「アイツならまだこの通路の途中にいるよ。じゃあ、あとでね」




とだけ告げて、また足音の方へ向かう。


そこには通路をぞろぞろと歩く蘭ちゃん達四人が視認できた。


蘭ちゃんと園子ちゃんは女子トイレへ。彼女達が私に気付いて手を振った。



「あ、Aちゃん！ここにいたんだ！千世ちゃんが探してたよ？」


「うん、後で連絡する。」




そして入れ違いになるように通り過ぎ、二人で何かを話すコナンくんと世良ちゃんのそばまで近寄った。

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