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Ep.2 先に言って ページ2

夢から覚めかけている時のように、ぼんやりと遠くから声が聞こえた。




「はい、お疲れ様」




と。






ぱちり目を開ければ、そこには真っ白なだだっ広い空間が。




あまりのことに混乱して固まっていると、視界の中に人影が映り込み驚く。







「お疲れ様。君の人生はここで終わりだよ」




「え?…………何、神様?」






若い男にも中性的な女にも見えるそいつは「正解!話が早くていいね」と明るく拍手した。




その姿に、私は怒りを覚える。






「………………か」



「ん?」



「お前か気まぐれ神様は!!!!!」



「えっ、ぎゃぁぁぁ!?」






その衝動に任せて飛び起き、神様と名乗ったソイツに容赦なく殴りかかった。


虚しくもギリギリでよけられたが。






「あのさ、私は死んだことに怒ってるんじゃないの。突然すぎたことに怒ってんの!ビビるから先に言ってくんない!?」



「いや、僕じゃないって!君はもともとこうやって死ぬ運命で、それは僕じゃなくてもっと上級の神様が決めたことだから……!っていうか先に言うとかないから!」



「……まあそりゃ『君今から死ぬからね』って言われてもムカつくな」





確かに少し理不尽だったかもしれない。それに彼に怒っても仕方ないか。



私が落ち着いたのを見るとホッとしたように神様は話し出した。





「僕は運命に定められた死者の魂を導くだけの下っ端で、天使のようなものなの。だから早速だけど次の人生にご案内致しますよっと」



「え、すぐ生まれ変わるの?」



「割とすぐだよ」




ふぅん……と腕を組むと、神様は私をじっと見てからこう言い出した。




「…………ひとつ、裏ワザもあるんだけどね」





私が聞き返そうとすると、神様は自分の手を丸めて大きな水晶玉を持つような仕草をした。



するとその両手の中に現れたのは見知らぬ街中の風景。





「別の世界に魂ごと移動する。するとあら不思議、まるでその人生の続きのように生き続けることができるのさ」



「べ、別の世界?」




それって、例えば…………




「……名探偵コナンの世界、とかでもアリなの?」




「存在する世界だから可。」




「うっそ……マジで……」





急展開に息を呑む私に、にこりと笑った神様はこう続ける。





「ただ、裏ワザだからね。そこで生きていくための条件がいくつかあるよ」




「条件?」





そう、条件。と言い手の中の世界を閉じた。

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chiroru...(プロフ) - めっちゃ素敵な小説でした!ファンになりました♡名探偵コナンで安室さんと怪盗キッドとの三角関係な小説を読んでみたいです!是非ご検討お願いします♡ (4月5日 20時) (レス) id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主のイラスト見ました! かっこいい! (2023年1月8日 0時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
- 内容がしっかりしてる! 夢主好き💚 (2023年1月8日 0時) (レス) @page10 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
茉佑(プロフ) - 絵上手くないっすか?うらやますぃ(´;ω;`) (2018年5月1日 23時) (レス) id: ff89d68923 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - あぁぁ…画力が神だぁ……画力わけてください、切実に…( ノД`)… (2018年4月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2017年9月11日 8時

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