78.ふざけんな ページ29
「あ〜!楽しかった!!」
もう何時間飲んでいたか。
誰だよAにこんなに酒入れたの。
いつの日かつわはす君が言っていた酔っ払いAを家まで送ることになっている俺は、正直とても疲れている。
夜はまだまだこれからなのか…と思わずため息が出る。
「うわぁ…Aちゃんベロンベロンやん……これキヨ君にまかせて大丈夫なん?」
「………………自信ない」
「キヨ君がんばれ!」
P-Pの投げやり的な応援にイラッとしたからとりあえず足を蹴ってやる。
痛がってるP-Pを放っておいて、レトさんの会計が終わったのを横目に見た。
そして自分たちの分もレトさんが払ってくれていることに気づいて、慌てて財布を出す。
「レトさん、金……」
「いいよいいよ、オレ最年長だし?奢られとけ奢られとけ」
「マジか、ありがとう」
「レトさんありがとー!」
大将の大きな声で送り出され、俺達は店を出た。
Aはもう完全に酔っ払っていて、どうしたらいいのかすら分からない。
「キヨ君たちタクシーにする?呼ぼうか?」
「あー…いや、Aの家遠くないらしいし歩くよ」
「そっか、気を付けてな」
「キヨ君オオカミにならないといいね〜」
優しく気遣いながら送り出してくれるレトさんと違って、ニヤニヤしながらからかってくるP-Pをまた足蹴にする。
オオカミとかふざけてんのか。
一時の気の迷いで一生の信用を失う様なこと、誰がするかっての。
なんて言いながら身長差のせいで肩を組むのは難しいから姫だっこするんだけども。
「よっと……。じゃあね、おやすみ」
「おぉ、さすがキヨ君。おやすみキヨ君、Aさん」
「レトさんも!また飲もうね」
「…うん、もちろん」
姫だっこしたまま器用に2人に手を振る。
腕の中のAはいつの間にかぐっする熟睡しているようで、揺らしても起きない。
軽過ぎず重すぎず、社会人の女性なんてこんなものか…。
クルッと2人に背を向けて、つわはす君から送ってこられた地図を頼りにAの家を目指す。
この時俺は気づかなかった。
誰かさんの悲しい応援に。
「がんばってな、キヨ君」
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ぱんだ(プロフ) - はすにゃんさん» ありがとうございます…夢主さんと仲良しなつわはすを本気で書いてみたかったんです……そう言ってもらえて…救われます……!!! (2016年9月23日 19時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - ここのはすくんが可愛すぎる((真顔 (2016年9月23日 2時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - 私がオイアさんの命の源になれてるのなら感激です!wうわぁ、すっごいいい笑顔そうですね……(苦笑い) (2016年3月25日 7時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
オイア(プロフ) - けーわィさん» コメントは命の源なので…むしろこちらこそ、わざわざいつもありがとうございますつД`)・゚・。・゚・。けーわィさんを泣かせるつもりで書いていきますね(笑顔) (2016年3月23日 2時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - シリアスになるんですかっ!!私、感情移入しやすいので泣いちゃったらどうしましょ...。笑こちらこそ、毎度私のめんどいコメントを返してくれてとても嬉しいです!!ありがとうございます(*´∀`) (2016年3月22日 18時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2016年1月21日 20時