【実I況I者】それはきっと、【キIヨ】II

61．隣 ページ13

ピコンッ。

甚平のポケットから音がはじけた。
姉さんのからLINE。
アプリを開こうと、パスワードを入力しているうちに、
またピコンピコンと続けて音がはじける。

｢なに？画像？｣

開いて見てみると、1枚の写真と2言のメッセージ。
写真を開く。
かわいい振袖を着た姉さんと、つわさんと他に知らない男の人たち。

…うわぁ、男4人の中に姉さん女の子1人って…。

なんて思ったがつわさんが居るなら大丈夫だろう、と勝手に安心してる。
それに姉さんだってちょっとアホの子っぽいところあるけど一応大人だし。
大人とはこういうものなのだろう、そう、片付けた。

｢スマホ見つめちゃってどうした宮都……ってうわ！なにその人めっちゃ美人！！｣

｢なになにー？おぉ、すげー美人じゃん｣

俺はサッカー部の奴らと初詣に来ていた。
くっそ、まためんどくさい2人に見つかった。
その2人の無駄にデカい声に反応したほかの部員まで俺のスマホを覗き込んできた。

｢わぁ、すごい可愛い人だね。宮都の彼女？｣

挙げ句の果てにはマネージャーの1人である宮路にまで見られ、さらにこの勘違い。
はぁ、とため息を吐いて否定する。

｢違うよ、俺の姉さん｣

｢へぇ！宮都お姉さん居たんだ？たしかに言われてみれば、って感じするかも｣

そう言えば俺と姉さん、似てるって言われないなー。
まぁ姉さんは父さん似でオレは母さん似だし、仕方ないか。

｢俺らトイレ行って来るからー！お前ら待ってて｣

写真の女性が姉さんだと分かり、からかえないと判断されましたしたのか、
単に飽きたのか、
俺と宮路を残してほかの奴らはみんなトイレに行ってしまった。

｢なんでこうもみんなトイレを共有するわけ？｣

｢知らないよ。どうする？俺ら｣

｢…宮都も行きたいなら行ってきていいよ？｣

｢なんで？お前1人になるじゃん｣

｢…ふぅん｣

…？？
なんだこの静かな空気。
気まずくないか…？

｢宮都、さっきの写真もう一回見せて｣

突然そう言われ、慌てて写真を見せる。
すると宮路は写真をじっと見つめてから、お姉さんすごいね。と遠い目をして言った。

｢なにが？｣

｢お姉さん、好きな人と隣で写真撮ってるじゃん。羨ましいよ｣

｢…好きな人、？｣

｢そう、この人｣

つわさんのことか？
だったら違うのに、勘違いだ。

そう思ったのに、宮路が指したのは姉さんの隣に写ってる＿＿＿＿背の高い男の人だった。

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