裏日常

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「この人誰ですか？」
　


は.....？

この人誰って、忘れたのかよ、なぁ、お前の恋人だよ



「坂田？坂田、だよな？」


「なんで俺の名前知ってるんですか」


「は、なんで、忘れたのかよ、うらただよ、坂田その冗談笑えねぇぞ」


「そっちこそなに言ってるんですか。冗談でもなんでもないですよ、気持ち悪いんで出て行ってください」



やだやだ、坂田思い出してよ
昨日まで電話してたじゃん、大好きって言ってくれてたのに...


「なんで、速う出て行ってや」


そんな目でこっち見んなよ、坂田、前みたいにうらさんって優しい声で撫でてよ



「出て行けっつってんねん！！！」


「ぁ...っ、ご...めん」


初めて坂田に怒鳴られた、どんなときも怒らずにちゃんと理由を聞いてくれた優しい坂田が

この場にいられなくなった、坂田になに言われようと出て行く気はなかったけど、あんな言い方されちゃ帰るしか、ないじゃん


くるりと坂田に背を向けて、早歩きで病室から、いや、走って病院から出て行った

看護師さんから待ってくださいなんて言われたけど気にせずに無我夢中で走った


明日は仕事、午後からだ。朝もう一度此所に来よう、そうすれば思い出してるかもしれない




ぶーぶー、マナーモードにしていた携帯が震えた

見ると志麻ちんからだった

　

「も、もしもし、志麻ちん、どうしたっ？」


「うらたさん、坂田ってどこの病院にいる？」


「☆☆☆病院、だっ、て...、迎えにっ、行こぅっか？」


「うらたさん、泣いてる」


「な、泣いてねぇよ、泣く事なんて、ねぇっし」


嘘、泣いてるよ、坂田に拒絶されたもん



「じゃあなんで、涙流してんの」


「は、なんで、見えてんだよ」


「前、見て」


言われたとおり顔を上げると、センラと志麻ちんがこっちを見ていた



「なんっで、ぅぁ、っ、」


その場に崩れ落ちてしまった

それを見て、センラが大丈夫やで、って背中さすってくれた


坂田より少し大きい手だけど、温もりは確かにあってでも、坂田じゃなかった



「うぅ、っﾋｯｸﾞ、セ、ンラぁ..さかっ..たが、....」


「今はなにも言わなくてええですよ、とりあえずこの場から退きましょか..って立てないですよね」



普段なら立てるって強がってたけど、今はセンラの優しさに身を委ねようか


あぁ、迷惑掛けてばっかりだ、俺リーダーなのに



「迷惑だとか思ってませんから」


ほんと、センラには敵わないなぁ

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