夏の日(2) (ページ25)

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廉 side

「…」

俺の前に現れたのは紗良が見せてきた写真にいた男だった

平野「初めまして。Aさんの同期の平野紫耀です。話があって来ました」

「あんたと話すことはないから帰ってほしい」

平野「…やっぱり。」

やっぱりってなんやねん

平野「中川紗良から何か聞いたんですよね？俺とAさんが資料室にいる写真見ましたよね？」

「…見たで。資料室でキスしてた事も全部聞いた。よう、結婚してる人とそんな事やれるなぁ？」

ふっ。っと笑い出す男

「なに笑ってんの？」

平野「高1の時中川紗良がなんて呼ばれてたか知ってます？＂オオカミ少女＂」

オオカミ少女？

平野「嘘をついて人を傷つけるんです。俺の友達もやられました」

「嘘ってなんやねん」

平野「浮気なんかしてないのに彼女が浮気していると男に言って別れさせる。そして自分がその男と付き合い、用が済んだら別れる。俺の友達はそういう事をされた。他にも色々あったみたいだけど」

紗良が？

「俺が知ってる紗良はそんなことするような奴じゃないで？」

平野「じゃあ、逆に聞きますけど、貴方が知ってるAちゃんは浮気するような人なんですか？」

俺は何も言えなかった

Aとずっと一緒におった時も俺だけで離れても俺の事を思っててくれてて

こんな俺と結婚してくれて。

なのに、俺はAに何も聞かんでA信じず紗良を信じた

平野「僕とAちゃんは何もないです。じゃ、僕は帰ります」

男がつけていた指輪を見て信じていいんだと俺は思った