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寮の裏のスーパー、言われた通りに行くとメガネとマスクをした松尾君が待ち構えていて思わず笑ってしまった。
「こっち」
変装してるんだろうけど、松尾君ってバレバレだと思うよ。でも言わないでおく。自ら距離をとって歩いた。
立ち止まったところは、スーパー内にある小さなフードスペース。
「たこやき二つ」
松尾君が注文したのはたこやき。
目の前で作り出されるたこやきがキラキラしたもののように見えた。
「はい、食べるで」
そのお店の前にあるベンチに腰掛けて、二つ頼んだうちの一つを私にくれた。
「ここの、美味いから」
たこやき作るの下手って言ったから連れてきてくれたのかな?
つまようじを手にしてまんまるのたこやきを口に運ぶ。
ぱくり、出来立てのたこやきは熱い。
はふはふしながら飲み込んだ。
「おいしい!」
やっとのことで飲み込み、熱くて涙目の私をみて松尾君は笑った。
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「元気になってなにより」
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くるりと向きを変えてたこやきを食べ始める松尾君。
すっかり固まる私。
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たこやき作るのが下手くそだからって連れて来てくれたんじゃなくて、
私が落ち込んでいたことに気づいて……?
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「どんくさいからアゴにソースついてるで」
「うっうるさいな!……ありがと!」
どさくさに紛れたありがとうが松尾君に届いてまた笑った。
……調子、狂うなあ。
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yumi(プロフ) - 腹黒タカシくん良すぎます!!更新待ってます! (4月30日 23時) (レス) id: 28b0b9cda3 (このIDを非表示/違反報告)
5 - 続きが気になります!! (2020年4月24日 1時) (レス) id: e2f7b4b683 (このIDを非表示/違反報告)
あ - もう更新はなさらないのでしょうか?( ; ; ) (2020年2月5日 4時) (レス) id: 69e88fbea1 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 続きが楽しみです!更新楽しみにしてます〜(^ ^) (2019年1月16日 19時) (レス) id: 7620beece4 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すごく面白かったので更新楽しみにしてます! (2018年12月24日 12時) (レス) id: 1ea4876c06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:plum ne | 作成日時:2016年11月3日 23時