松尾君と、憂鬱

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あの日から変な意味ではなく松尾君に釘付けだ。




「松尾君いるよ！手振っちゃおうかな、手振っちゃおうかな、きゃー！振り返してくれた！」






お手振りをもらえてきゃあきゃあと喜ぶ友人。

松尾君、は、確かに友人に手を振り返したけど隣の私には真顔で見つめた挙句鼻で笑った。



「いやいやいや今の見ました？私に対してまが、」
「松尾君かわいいなあ」
「真顔……」
「かわいいかわいい」
「……見てなかったわけですね」






わたしは松尾君に何かしたのだろうか……








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「せーんぱい」







「松尾君……は、なんで私にはそんなかんじなのかな」




放課後、周りに誰もいないことを確認して話しかけてくる松尾君。





「他の子にはニコニコ愛想振りまいてるのに」




「あっもしかしてヤキモチ？」


「えっヤキモチ？」







ヤキモチ……ヤキモチ……ではないでしょう、だってどちらかといえばいじめ？

元彼にすら妬いたことなかったと思うし。








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「今更先輩に愛想振りまきはじめたら逆に気持ち悪いやろ？」

「うん、そうだわ。やめて」




せめてもの対抗心できっぱり伝えてばいばいした。








しかし翌日、たまたま松尾君がコーラをぶちまけてるのを見かけて、いてもたってもいられず追い掛けて呼び止めてしまった。






「ぜー……はー……」


「え、何」



「こっちきて……！」


「わ、ちょっと！」








松尾君を引っ張って、水盤のある空き教室に入る。





「脱いで！」



「はあ！？」







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「コーラはちゃんと処理しないとシミになってとれなくなるから！」









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