3月10日 ページ6
朝6:30。目を覚ますとまだみんな寝ていた。俺は顔を洗いに教室を出ようとしたが、一瞬彼女のほうを見る。
｢･･･ちゃんとかけねぇと風邪引くぞ｣
そう言って自分の掛け布団をさくらに掛け、顔を洗いに向かった。
しばらくするとみんなが起きてきて、携帯を片手にニュースを見ていた。
｢もうすぐ8時だな･･･｣
甲斐｢あぁ｣
そして８時になり先生が屋上に姿を現した。クラスではこの後は先生どうするのかという疑問が浮かび自首するだろうと言った。
｢まさか!?｣
石倉｢お、おい！どこ行くんだよ！｣
それと同じセリフが隣からも聞こえた。隣を見ると香帆に掴まれたさくらの姿があった。
さくら｢死んじゃうかもしれない･･･｣
その一言にみんなは驚く。そして俺は先生が前に自分が屋上から飛び降りる夢を見たと話す。そしてその話を聞いてある疑問が浮かんだ。
熊沢｢なんでわざわざ屋上に出るんだろ。真相を語るだけなら教室でもいいはずでしょ？｣
里見｢全てを話したら･･･飛び降りるため｣
その言葉に全員で屋上に向かおうとするが、そこには瓦礫の山が。これをなんとかしねぇと･･･。
甲斐｢おい、退かすぞ｣
｢そうだな。身長の高いやつは上からの瓦礫が落ちてこないように支えよう。柔道部、先頭にして瓦礫を退かす。細かいのはバケツに入れて、リレー形式で退かす。その瓦礫はこの教室に置いとく。いいな？｣
みんなポジションに付く。そして俺は身長があるため上から瓦礫が落ちてこないように支えた。しかしこれじゃ時間がかかる･･･。いや、確か向こうには･･･
｢いるんだろ、郡司さん！｣
郡司｢あぁ、いるよ。柊の所に行きたいんだろ？俺も手伝うよ｣
よし、これで時間は短縮できる。すると校内放送から先生の声がした。MindVoiceのライブ中継を流しているのか。
そしてそのMindVoiceに向かって、自分の意見をどれだけ変えたか、澪奈に会ったこともねぇのになんであんなに叩けるのか、そして自覚のない言葉が澪奈を殺した。
悪意にまみれたナイフで澪奈の心は何度も何度も刺された。
｢･･･っ｣
溢れようとする涙を必死に堪えて瓦礫を支える。そして俺はふと目を下にやるとさくらの目には涙が。それでも、一緒懸命瓦礫を運ぶ。
｢･･･さくら｣
俺は彼女の名前を呼ぶ。そして、彼女は顔を上げる。今にも泣きだしそうな顔、そんな顔するなよ･･･。
｢先生は死なせない。絶対助けような｣
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作者名：黒猫 | 作成日時：2019年3月21日 22時
