留学から帰って早々人質になりました。2 (ページ5)

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しかし先生は中に防弾ジャケットを着ていたため、無傷だった。それを聞いたみんなは一安心したが･･･。

諏訪｢ねぇ、さくら。さっきの続き･･･聞かせてくれる？あれどういう意味？｣

香帆｢ほら、前にウチらが澪奈を無視してさくらがその責任感じてたでしょ？きっとそれを引きずって･･･｣

さくら｢そうじゃない･･･。ホントに私のせいで澪奈が命を落としたの｣

そして茅野ちゃんはあの日会っていたのは自分で澪奈に謝りたくていつも遊んでいた雑居ビルの屋上に行ったと言う。しかし、タイミングよく茅野ちゃんの携帯が鳴ってそれを見た瞬間澪奈の様子がおかしくなったといった。

何もかもが敵に見えてそう思う自分も嫌だと言って澪奈は自分から柵を乗り越え飛び降りようとしたとの事だった。俺はその話を聞いて言葉を失った。

さくら｢私は澪奈の手を掴んだ。けど･･･私はこの手を離した･･･。だから澪奈は･･･｣

その言葉に逢沢は自分を責めるなと言うがさくらは先生にも同じことを言われたと話した。

さくら｢先生はそれで私の気持ちが晴れるかもしれないって思ってるかもしれないけど･･･私の罪は消えない｣

茅野ちゃんも自分をずっと責め続けていたのか。澪奈の手を離したことへの罪悪感に。

さくら｢成海くん、ごめん･･･ごめんなさい｣

｢なんで謝るんだよ｣

さくら｢私があの時手を離さなければ澪奈は今も生きてたのに。私が離したから成海くんにも辛い思いさせて･･･｣

｢茅野ちゃん･･･｣

ひたすら頭を下げ、一向に俺の話に聞く耳を持たない茅野ちゃんに俺は彼女の両肩を思いっ切り掴んだ。

｢茅野さくら！｣

初めて彼女の名前を呼んだ。そして彼女はビクッとして俺の方を見た。

｢俺はお前に謝って欲しくない。さくら、これはお前の授業だ。先生がお前になにを伝えたかったのか、明日までに考えるんだよ！俺も、いや俺達全員で考えるからさ･･･｣

さくらは小さく頷くも彼女の表情は曇ったままだった。