君の心臓の音【Dr.STONE】5.5 (ページ9)

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「LAST MAN STANDING」とイバラは煽る様に千空達に勝利を宣言する。

「You are so foolish.」
「あーん？」

聞きなれない言葉に片手に薬瓶を持ったAに顔を向ける。

「お前は愚か者だって言ったんですよ」
「！！？」

掲げた石化装置をイバラがよく見ると、音の出るイヤリングが付いている事に気づく。

そして千空は先ほどのイバラのセリフをなぞるように、自分が賢いと思っている奴ほどハメられるとスピーカー越しに話し、イバラは咄嗟に石化装置からインカムを外そうとするが…龍水に渡す直前にAがつけた接着剤のせいで簡単には外れない。

「５ｍ、1second(秒)」と千空が音声入力し、Aはその横でイバラのセリフをなぞる。

「Goodbye for good.(永遠にさよなら)」

二度と会いたくないと願いを込め、石化光線に触れ断末魔を上げるイバラを千空と見届ける。

「……」

もしかしたら復活するかもとあまりにも図太かったイバラにそうAは一瞬不安に思ったが、千空がイバラの爪先から遂に石化装置を手に入れたのを見てようやく終わったと実感でき、その場に座り込み安堵する。

「うおおおおお！！」

いつも冷静な千空が勝利を確信し腹の底から叫び島に声を響かせる。

初めて聞く千空の声にAは唖然としていたが、千空の腕の怪我を思い出し鞄から治療セットを取り出し駆け寄る。

「千空さん！手当てを！」

まだ血が滲んでいる千空の腕を見てAは傷口を見て糸と針を出し縫う準備を始める。

「テメェはどんな手使って復活した」

クククと笑いながらラボカーの薬品とドローンが無くなっている事で、Aが復活していると千空は気づいていた様だ。

「竹筒に硝酸を…」

Aは傷口を縫い、千空の腕に包帯を巻きながら説明する。

「あーん？それなら混酸になるだろうが」
「底の方は混ざり切ってなかったので…それでかと」

一か八かで試してみたと話すAの手は硫酸で皮が溶けロープや弓で擦れ痛々しく血が滲んでいた。
それを見て千空は包帯が巻き終わると同時にその手を掴む。

「かせ」
「！！」

治療セットをAから奪い千空は消毒液をAの手に浴びせる様にかけ悶絶させる。

「これぐらい我慢しやがれ」

死ぬほどしみるとAは涙を浮かべながら千空に包帯を巻いてもらう。

「ありがとうございます…」

荒々しい治療だとAはいまだにジンジン痛む手を撫で一様お礼を言った。