君の心臓の音【Dr.STONE】5.5 (ページ6)

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石化したAの手には硫酸がかけられ黒く変色した竹筒があり、ゆっくりと竹が表面から溶け出し、竹筒の中からポタポタと硫酸とは別の液体が溢れ始めAの手に染み込み、石が剥がれ落ちる。

「ッーーー！！」

石化するまでの激痛は消え、手の感覚が戻りAは硫酸が付着している竹筒を咄嗟に離し落とすが、ピリつく手に急いで処置を行う。

「ちょっと遅かった…」

黄褐色に変色している手に急いで常備薬の精製水で洗い流し悪化を防ぎ、手の表面が科学熱傷を起こしてしまったがAは上手くいったと喜ぶ。

竹筒の中には復活液が入れており、石化する寸前に竹筒に硫酸をかけた事で、竹がゆっくりと溶け、中の硝酸を石化している自分に自動でかける事に成功した。

「混酸になったらやっぱり効果は無くなってしまうかな」

硝酸に硫酸が混ざり混酸になってしまう事をAは恐れ、少量の硫酸にしたつもりだったが、水面はやはり混酸になっており色が変色していた。

「このやり方は博打かなっ…もし失敗して硫酸と混酸だけが石化中にかかって溶けたりしたら…復活はできないくなる」

石化条件と復元力がどれほどのものなのかもっと詳しく知りたい。

でも今はそんな事よりもみんなをどう助けるかが重要だとAは笛を鳴らしフウタを呼ぶと、千空が怪我をしていると知らされる。

「千空さんの場所に案内して！！」

フウタを追いかけていたがAは足の違和感の無さに咄嗟に足を止める。

「！！」

復元力のおかげで足の後遺症が傷跡と共に完全に消えている事に気づきこれなら追いつけると全力でAは森を走り、千空とそしてイバラを見つける。

「ッーーー…」

腕を負傷している千空を見てAは眉間にシワを寄せ、すぐに助けようと最後の一本の矢を取り、茂みからイバラに向けて構えるが…

硝酸で負傷した手では弓を強く引くことは困難で、今の場所からはイバラには届かない。

千空が何も考えずにただ逃げるなんてあり得ない。
千空が今何をしたいか考えろとAは千空の走る方角に何があるか必死に思い出す。

「崖…」

千空が電話ボックスを抱えているということは、一度ラボカーに戻ったのだろう。

だったら…気づいているはずだ。

ラボカーに残されているはずのドローンが無いことを…
石化してるはずの仲間の誰かが復活して一式持ち出したことも千空なら想定してるはず。