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羽京さんをベットに寝かせて仕事をしていると、寝苦しそうな声を出していたので心配でそっとカーテンを開け様子を見ると、羽京さんが苦しそうに眠っていた。

「羽京さんっ!!」

聞こえない羽京さんに声をかけても意味がないのに、咄嗟に呼んでしまい駆け寄るとボクの名前を呼んでいた。

「…お願いだっ…Aにっ…手を…ださ……」

脂汗を流してシーツを握りしめ羽京さんはとても苦しそうで起こそうと体を揺らすが起きる気配はない。

「耳が熱い…」

炎症のせいだろう…抗生剤も解熱鎮痛剤も出したのに…
熱を取らないと悪化しかねない…
耳を冷やすために自分の冷たい手を咄嗟に羽京さんの耳に当てる。

氷があれば氷枕を作ってあげられたのに…
急いで小さい冷蔵庫を…いや今はそんな時間はない…
睡眠時間を削ったとしても…一から作るとなると最低でも三日はかかってしまう…

「…!!」

飲み物と一緒に置いた解熱鎮痛剤が減っていない事に気づいて羽京さんが飲んでいない事に今更気づく。

「痛い時に飲むように」そう伝えたのが間違えだった…

羽京さんなら勿体無いからと我慢して薬を飲まないなんて予想できただろう。

「っーー…」

嘘でも絶対飲む様にと伝えるべきだった…痛みが出る前に飲む様に言うべきだった…

ボクは羽京さんの事なんにも分かってあげれてないんだな…羽京さんはボクの事なんでも分かっているのに……

こんなんだから羽京さんに頼られないんだ…
羽京さんにいつも守られてばかりで…心配ばかりかけさせて…

もっとちゃっとしないと…
人として医師として…恋人として…

「羽京さん……」

羽京さんのためにも…もっと強くなりたい…役に立ちたい。


解熱鎮痛剤と飲水を口に含んで羽京さんに口移しで咽せ返さない様にゆっくり少しずつ飲ませる。


こういう事をしたら衛生面的に良くないけど…飲ませなかったら熱のせいで下手をしたら一生耳が聞こえなくなってしまう。


「んっーー…」

こんなに長いキスをしたのは初めてかも…助けたいって気持ちが強くて恥ずかしいとか感じてる暇はない。

羽京さんの耳と自分の手が体温を分け合い同じぐらいの体温になると同時に薬を飲ませ終え、ゆっくりと唇を離すとまたボクの名前を羽京さんは苦しそうに呼んでいた。

「…ここにいますよ」

どんな夢を見ているのか…
夢の中でもボクは羽京さんに迷惑をかけているのか…

「羽京さん…ボクで本当にいいんですか…アナタの恋人として…ボクは…まだ正直…自信がありません」

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風夏(プロフ) - いつの日か続き楽しみにしてます^_^ (4月8日 22時) (レス) id: a7ba8ebdd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリーム | 作成日時:2023年12月29日 20時

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