君の心臓の音【Dr.STONE】5.5 (ページ48)

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Aもここで寝てるんだよね！？えっもしかして…と思ったが…
耳が聞こえない今、災害時やホワイマンの襲撃があったら避難に遅れたり危ないからだと説明されてる。

「だ、大丈夫だよ」

絶対ダメだとAは珍しく頑なで、治療室のベットに腕を掴まれたまま引っ張られペチペチとベットを叩き僕にここで寝ろと命じる。

「あー…でも寝衣は部屋だから…」

寝衣ならあると患者用の寝衣まで棚から出してこれで良いだろと言う様にベットに置かれてしまう。

何かあったらすぐに僕叩き起こすから安心して〝ここで〟眠る様に言われ、コントラクトカーテンをAは閉め取り残される。

まるで入院してるみたいだな…

「すごっ…」

治療室のベットは怪我人の体に負担がかからない様に杠とAが設計し、低反発な素材と全シーツ柔らかい質の良いシルクが使用され、他のベットとは比べられないほど寝心地が良いと噂話で聞いていたが…手で触っただけで分かるほどとは…

聞こえないだけで軽い怪我と変わらないのに治療室のベットを使うなんて申し訳ない。

でも、言う通りにしないと今のお医者さんモードのAなら容赦なく怒るだろう…。
用意された寝衣に着替えカーテンを開けるとAは湯たんぽに、新しいハーブティーに果物に抗生剤に痛み止めといろいろ準備してくれていた。

「ありがとう、ごめんね仕事増やして…聞こえないからってそんなに気を使わなくていいんだよ」

そう言うとAはムッとした顔を僕に向ける。

「羽京さんは患者でもありますが、恋人なので」
「へっ…」

トントンといつもより強く指で腕を叩かれモールス信号でそう伝えられる。

「恋人だからと他の人より特別扱いするのは…だめですか」
「ッーーー…」

Aから〝恋人〟と言う言葉を聞けるなんて…
愛おしさに胸が締め付けらているのに、甘える様に手を握られ上目遣いでそんな事言われたらダメだなんて死んでも言えない。

「嬉しいけどっ…申し訳ないなって…言うかっ…」

愛おしさに口元が緩みそうになりながらもそう伝えると、今だけは自分に甘えてほしいと心配そうに僕を見つめる。

「羽京さんだって…ボクが大怪我を負った時そうだったじゃないですかっ…」

〝好き〟だらがしていると言われ嬉しさに気を失いそうになる。

「わ、分かった…Aが疲れない程度にそのっ…甘え？させて」

そう伝えると嬉しそうに頷いて僕をベットに寝かせて肩までしっかり布団を被せられる。