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Aがいつも飲んでるのはハチミツと生姜が入ったハーブティーだ。
何を頼んだなんて聞かなくても分かるが、それでいいかとAは尋ねてくれる。

「うん」

出来上がるまで二人でカウンターの椅子に腰掛け待っていると、フランソワが僕らに木苺のムースを出してくれる。


「『夜遅くまで働いてる者には特別ボーナスを出す様に』そう龍水様から言われております」


夜遅くまで働いているのはAとフランソワぐらいだ。
Aのためだけの指示に龍水がAに気があるんじゃないかと一瞬疑ってしまいそうになるが、Aの起きてる時間と仕事量を考えると一日4食は食べる必要がある。


それを考えてだろうAが好んで食べるドライフルーツやナッツまで出してくれる。

「ありがとうございます」


出されたナッツをポリポリと隣で食べてる姿は森で秋ごろに見かけるリスみたいで、可愛くてつい笑みが溢れる。

食べている物がまた木の実だからか余計にそう見えてしまうのかな…Aはやっぱり木の実類が好きなのかな…
よく間食にフランソワにおまけでナッツ出されている様な気がする。
食べやすいから?
いや…栄養価が高いとかそう言う効率的な事かな…。


もっとAが好んで食べたいと思える様な食材を集めたいな…


「この木苺のムースとても美味しいです」
「本当だね、明日も食べれるなんて嬉しいね」
「はい」

良かった…いつものAに戻った。
僕のせいでいつまでもお医者さんモードだったら疲れてしまうと心配してたけど…今は年相応の普通の女の子だ。

自分の分のナッツもAの小さい口に入れたいが、食べて早く怪我を治せと注意されまたお医者さんモードになってしまったら困るので渋々自分で食べる。

ナッツやムースを食べる自分の咀嚼音は聞こえるのに…調理器具が触れ合う音やAの心音は聞こえないから常に違和感があって落ち着けない。

聴覚が失われた事で嗅覚や視覚で周囲の情報を取り入れようとするからか…
いつもより匂いに敏感になったり視界に入る物をよく観察してしまう。

「あれ?」

ナッツが食べているのに減っていない事に気づいて驚いていると、Aが肩を震えさせ楽しそうに笑っていた。

「A??」

なんで笑ってるんだ…フランソワと何か話してたのかな…?
でもこんな風にAが笑うなんて珍しい…一体どんな話をしてたのか気になって声をかけるとテーブルに置いている僕の手にAが手を重ねてくる。

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風夏(プロフ) - いつの日か続き楽しみにしてます^_^ (4月8日 22時) (レス) id: a7ba8ebdd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリーム | 作成日時:2023年12月29日 20時

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