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磨り終えた薬草の粉をAは丁寧に集めると、重さを測り小分けにしたり、他の薬草と混ぜ薬を調合したりと…慣れた手つきでテキパキと薬を作り仕事をこなしていく。
「休憩してくださいね」
地味な作業だが意外にも薬草を磨り潰す作業は体力が必要かで、Aが一つ薬草を磨り潰す事に休憩の話をするのも納得がいく。
「ありがとう、まだ大丈夫だよ」
今までAがこの作業を一人でしてたと考えると、耳が治っても手伝いに来よと思う。
Aの小さいくて薄い可愛い手がマメだらけになる前に！！！！正直4回目で僕の手が痛いと訴え続けてる。
磨り潰すだけでも大変だが、Aはこの作業を終えてやっと薬を作る工程に入る。
「凄いねAはこんな事今まで一人でしてたんだね」
「薬草を集めてくれる羽京さん達がいるおかげです」
「探索より大変だよ」
6回目で手に力が入らなくなり情けない事に僕はギブアップをしてしまう。
「羽京さんは怪我を治す事が仕事ですので、無理はしないで下さい」
「ありがとう、何か飲み物もらってくるよ」
レストランに飲み物をもらいに席を立ち治療室を出る僕の隣にAが駆け寄ってくる。
足音が聞こえなかったので隣に来るAに少し驚いていると、腕に手を初めて回され更に驚いてしまう。
「ボクも付き添います」
一瞬照れてしまうが、Aの顔がまだお医者さんモードな事に気づき恋人ではなく、患者として腕に手を回されたのかと察する。
「大丈夫だよ、レストランに行くだけだから」
「ダメです！夜道は危ないのでボクも行きます」
耳が聞こえないだけで大袈裟だな…なんて思いながらもAにピッタリと腕に抱きつかれ頬が緩む。
これがお医者さんではなく、恋人としてならもっと嬉しいのにな…なんて、迷惑かけているのにそんなことを思ってしまう。
Aに抱きつかれ村を歩くなんて…初めてだ。
誰かに見てほしいが、みんな寝ていてこの姿を見てくれる人は残念ながらいない。
レストランは深夜でも明かりがついており、フランソワがまだ仕込みをしていた。
Aとフランソワはいつ寝てるんだろうか…
「 」
「えっ？…ごめん、何か言った？」
僕に顔を向けてAが口を動かしていたので、何か話しかけられたと気づき聞き直す。
『飲みたいもの ありますか』
袖を引っ張ってモールス信号でそう言葉を教えてくれ、フランソワにそう聞かれてたのか…こちらを見つめていた。
「Aと同じものにするよ」
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風夏(プロフ) - いつの日か続き楽しみにしてます^_^ (4月8日 22時) (
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作者名：クリーム | 作成日時：2023年12月29日 20時
