君の心臓の音【Dr.STONE】5.5 (ページ29)

今日:6 hit、昨日:80 hit、合計:10,540 hit

29 ページ29

寂しそうで申し訳なさそうな目をしてボクを見るから…そんな事ないよ。って伝えるために羽京さんに自分からつま先で立ってキスをしてみた。

羽京さんに自分からキスをしたのはお祭りの時以来だ。

その時はつま先で立っても唇には届かなくて、ふらつくボクを羽京さんが支えるために屈んでくれたからキスが出来た。

気づかないうちに背丈がグンと伸びたみたいだ今回はすんなりと出来た。

「うきょぅ…」

それが引き金になったのか椅子に押し付けられる様に羽京さんに倒されて

「ンッーーー…」

少し舌を唇に当てたりしてキスをされた事はあったけど。
こんなに激しく舌を入れられたのも、求められるのも初めてで…正直どうしたら良いのか分からない。

ボクを揶揄う様にいつもキスをしてくるのに…
今日は揶揄うって言うよりも…逃がさないとでも言うように腕も強く掴まれて強引にキスをしてくる。

そういえば…あのモズって男に腕を強く掴まれた時は恐怖を感じたのに、今は心臓が期待するみたいにドキドキ音を鳴らしてる。

キスの音や羽京さんの荒い息遣いや、勝手に自分の口から出てしまうねだる様な声が静かで暗い通信室に響いてる。

帽子とヘッドフォンが落ちそうになっていても気にせず羽京さんは舌を激しく絡めてくる。

「っーー…」

息をするタイミングが分からなくて苦しい…こう言うキスは映画でなんどか見たことがあるけど…それでもタイミングが分からない。

苦しさと恥ずかしさに涙目になっていると、服の中に羽京さんの手が入り、腰を熱い手で掴む様に持たれてビクッと体が大きく跳ねる。

「うきょっ…」

『羽京もいい歳した野郎だ、恋人と二人っきりだったらやりたいと思うだろ』

そう千空さんに言われた言葉を思いだしてブワッと汗が珍しく体から噴き出る。

もしかして…今ここで……

「っーー…」
「？」

羽京さんの手が腰から離れ、服から羽京さんは手を出すと唸る様に苦しそうに息をしてキスをやめてボクを見つめる。

「ごめん…変な所掴んで…これ以上は絶対しないから」

羽京さんの目がいつもと違う…
血走ってい、ボクを見る目は獲物でも捉えている野生動物みたいで目つきが鋭いけど、言葉は優しくて…

「Aはまだ未成年だし…」
「っーー…」

自分に余裕がない時でも一番にボクの事を考えてくれている。

「大切にしたい…」

ボクの事思って必死に理性を保ってる羽京さんはとても苦しそうで…必死に我慢してくれているのが見てわかる。