君の心臓の音【Dr.STONE】5.5 (ページ22)

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松風に変な誤解をされたとAは思いながら収穫した薬草を持って治療室に羽京と戻る。

「ありがとうございます運んでいただいて」

葉っぱとはいえ、袋いっぱいに詰めた荷物は床に置くと軋むほどの重さはある。
それを軽々と3袋持って長い距離を運ぶ羽京にAはあの時のことを思い出す。

「う、羽京さんって…ち、力持ちですよね」
「へっ？」
「あのっ…みなさんみたいに…そのっ…見た目では分かりにくいので」

顔を赤くしながら助けてくれたあの時も体の大きい男を叩きつけていたからとAはボソボソと話す。

「あははは、武器を使わずに相手を抑える訓練とかしてたから、つい…」

相手は受け身も取ってなかったからかなり痛かったんじゃないかと申し訳なさそうに羽京は話す。

「コツさえ知ればAも投げ技はできるよ」
「えっ！？本当ですか！？教えて下さい！！」

冗談で羽京は言ったつもりだったが、Aはコハクの様な強さに憧れていると目をキラキラさせるので羽京は心配しながら教える。

「Aでもって言っちゃったけど…流石にAのパワーだと相手が限られるからね」

誰でも投げられるわけじゃないから注意してねと羽京はAの前に立ち肩の服を伝えてから軽く掴む。

「相手が大きくてももし気を抜いてたら倒せるかもね」

そう話しながら羽京はどこに足をかけるかAに説明するが、Aは羽京との体の近さドキドキと鳴らす。

「千空や銀狼ならAでも倒せるよ」
「ホントでッーーー！！」

喜んでいると体がクルッと回り床にそっと羽京に倒されフリーズしてしまう。

「ごめん！！痛かった！？」
「い、いえっ…一瞬すぎて…驚いてしまって…」

あはははと羽京は笑いながらAを抱き上げ起こす。

「受け身も教えないと怪我しちゃうね」
「だ、大丈夫です！もう一度お願いします！」

自分もやりたいと羽京に教わった様にAは肩に手を伸ばす。

「失礼します…」

Aの身長だと肩は持ちにくいねと羽京は肋あたりの服を掴むように進める。

「足は相手の足の間に入れるんだよ」
「は、はい…」

足入れると羽京と体が密着してしまいAはドキドキしていたが、その恋人の心音に釣られて羽京とドキドキしてしまう。