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大樹とクロムは次々と仲間を手際よく復活させる中、Aは念入りに羽京の石像の一部が欠けいないか確認する。
「もー!早く起こしなさい!」
「わっ!」
Aが会うのに恥ずかしがって躊躇っていると気づきアマリリスはAの腕を掴んで羽京に復活液を浴びさせる。
他の仲間同様にキュイイイと音を立てて纏っていた石が割れ羽京が目を覚ます。
「!!」
意識を保っていた羽京は石化が溶けたことを手を見て確認すると直ぐ状況を判断しようと周囲の音に集中し、トクッンと聴きなれた心音が聞こえ顔を上げる。
「羽京さんっ…」
復活していく仲間の声にかき消されそうな弱々しい声だが、羽京の耳にはしっかりと『勝ちました』とまで届いていた。
「みんな無事です」
Aのその言葉に羽京は目を潤ませて微笑みAを強く抱きしめ驚かせる。
「勝ったんだね」
状況判断が早すぎると抱きしめられて顔を赤くしながら戸惑うAに、耳に入ってきた仲間の喜ぶ声を聞いてすぐに状況が分かったと羽京は伝える。
「無事で良かった…本当にAもみんなも…」
珍しく声が震えている羽京にAは安心してもらえる様に手を背中に回し、ゆっくりとさすり誰も死んでないことを伝える。
「そっか…ありがとう千空達と頑張ってくれたんだね」
さらに強く抱きめてくる羽京にAは少し戸惑うが、トクントクンと羽京の心音が服の上からでも伝わり、恋人が生きていることを実感出来ようやく安心する。
「花綺麗だね」
「へっ?」
「ん?自分で付けたんじゃないの?」
「………!?」
何のことだとAは首を傾げながらも頭に手を添え、アマリリスが先ほどつけたジャスミンの花にようやく気づく。
「かわいい、似合ってるよ」
「っーー…」
Aからジャスミンを取り、羽京は先程と同じところに花を飾り顔を赤くしてる恋人の頬に手を添える。
あっ…キスされると何となくAは察し、咄嗟に羽京から離れる。
何で離れるのと悲しい顔を羽京がするが…仲間の視線をAは背中でヒシヒシと感じていて、見られていることに気づいたのだ。
「せっかくの再会なんだからもっとイチャつけばいいじゃあない」
人の恋愛大好きなアマリリスはそう言ってAを揶揄う。
「ぼ、ボク頼まれたシゴトま、まだ残ってるので!!」
そう言って逃げるAにアマリリスは残念そうにする。
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風夏(プロフ) - いつの日か続き楽しみにしてます^_^ (4月8日 22時) (レス) id: a7ba8ebdd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリーム | 作成日時:2023年12月29日 20時