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サバイバル技術や、医療になんの関係もない知識を学ばせたのも納得いくと千空は超絶おありがたいとクククと笑う、
「ボクは守られてばかりですね…」
頼ってももらえなかったのかとAが落ち込んでると千空は頭に手を置く。
「頼ってんじゃねぇか、クソほど」
「えっ。」
「テメェのその瞬間記録を頼って馬鹿みてぇに本を読ませたんだろ」
朝から晩まで…勧めてくれた本を沢山目で写した事をAは思い出す。
「本ヤダ!テレビが見たい!」
「テレビを見ながらでも良いから読んでほしいな」
ノアは申し訳なさそうに毎回嫌がるAに分厚い重い本を何処からか持ってきてはそう頼む。
「ヤダっ!!字が沢山で目が疲れるもん!」
「図鑑ならどうかな!?字も少ないし楽しいぞ!」
昆虫に鉱石、魚、動物、植物、どれもとんでもなく分厚い専門家が使う様な図鑑をノアはおもちゃでも見せるように3歳のイヤイヤ期の真っ只中のAに勧める。
「地図とかどうだ〜迷路みたいで楽しいぞ?」
「ヤダあああぁ!!!!楽しくないもん!!興味ないもんっ!!」
テレビが見たいと駄々を捏ね泣きまくるAに、今は興味が無くてもいつか役に立つからと抱きあやす。
「役にって…誰の?」
「みんなのだ」
「…その中にはノア君やオリビアちゃんやママやパパは入ってる?」
「えっ…」
「家族を守れるお医者になりたいから」
「そっか…ありがとう。必ず役に立つよ」
「ほんと?」
「うん、だから沢山いろんな歴史を覚えてほしい。きっとみんなを助ける力になれるから」
幼い頃の記憶をAは思い出してポロポロとまた涙をこぼす。
あの時から頼られていた事、こうなる事を予想していた事ノアは一人でどんな思いでこの事を隠し生きていたのかとAはギュッと石化装置を握りしめ考え込む。
『頼んだぞA』
「っーー…」
兄にそう言われた事を思い出したAは涙を拭いて立ち上がる。
「絶対に世界を救います!」
「あー、世界云々よりもまずサバイバルだ」
「えっ…?」
「この島で俺らだけしか生き残ってねぇからな、手順間違えたら餓死で即ゲームオーバーだ」
夕日が沈んでいくのを見てクククと千空は笑い立ち上がる。
「お一人で100日間平然と生きてたサバイバル達人がいるから心配いらねぇなあ」
「!!…平然じゃあないですよ」
自分なんかに頼ろうとする千空に困った顔を向ける。
「大変だったんですから!!」
チリリリとAの言葉を電話が遮り驚くAと違い千空は冷静に電話を繋ぐ。
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風夏(プロフ) - いつの日か続き楽しみにしてます^_^ (4月8日 22時) (レス) id: a7ba8ebdd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリーム | 作成日時:2023年12月29日 20時