君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ44)

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「誰かを助けるためならどんな苦労も努力も惜しまない奴だ」

司を救えなかった事にAが一番悔しかったはずだと…あの時あれば助けられたかもしれない医療器具欲しさにAは自作してる事を千空は知っていた。

鉄を溶かした事もなければ、カナヅチすらろくに持ったことない奴が、何度も何度も何度も失敗し…完成するまでひたすら繰り返し…
やっとの思いで作った医療器具でまたひたすら治療の練習をしたりと…

そんなクソほど地道な努力を勝手にやるAを影で見てきた千空は努力の天才だと認めていた。

「〝死んでも科学で人を助ける〟〝医学に不可能なんて作らない〟アイツが唯一持ってるプライドだ。そんな奴に自信をつかせてみろ。必ず最強のお助けレアカードになる」

クソほど欲しいじゃねぇかと龍水のような事を千空は言う。

「そうね、誰かのためならなんでもできる子ね。早く自分の凄さに分かってくれたらいいけど……相当大変じゃない？Aちゃんに自信をつかせるのは…ねぇ？羽京ちゃん」

「あははは、そうだろうね」
「そこはクソみたいな恋愛脳様と羽京様の過保護っぷりをいい感じにAが勘違いでもしてくれれば速攻だろ」
「へっ…」

とぼけんじゃねぇと千空は羽京見て付き合ってるのはバレバレだと言うように笑う。

「あははは、うん、Aには内緒ね」

別にバレても良かったように羽京は冷静にそう答える。

「自分を好きだって言ってくれる恋人に褒めちぎられたら、速攻で自分に自信がつくはずだ」

よろしく頼むぜと言うように千空は羽京に悪い顔を向ける。

「そうだといいけど」

わっるい顔をする千空を見て、何でもかんでも有効活用する合理的な悪魔だとゲンは苦笑いを浮かべた。

「フッン、七海学園でも5才の頃から推薦してたからな！自信などすぐに着く七海財閥が復興とともに」
「えっ！？そうなの！？海洋系学校なのに！？」
「医療以外でも超絶優れてっからな…」
「ハッハー！毎年あらゆる条件を出したが断られたがな！！」

最高の条件を叩きつけても断られたと言う龍水にゲンは苦笑いを浮かべる。

「人を救いたいだけのAちゃんには逆効果よ…それ」

いい仲間を持ったと羽京はAの事を大切に思ってくている仲間に笑って感謝をする。