君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ37)

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それを聞いてAを起こしていたゲンも驚く。

「そんなの行かなきゃ分からないでしょ…それか写真で……嘘でしょ…」

「この1-66の数字は写真の数だろ」
「あー、大正解」

アルファベット順に重ねられた写真の数と一致すると千空は写真の裏を見てビンゴだと１〜６６まで書かれている写真を見てクククと笑う。

「……まじでやったの…これっ…全部…」

千空と無理ゲーだと言っていた事を1人でたった数日で完成させたのかとゲンはドン引きする。

ここから200キロ圏内で取れるアイテムまでご丁寧に書かれた超絶優れた地図に千空はニヤケが止まらない。

「おまけに石油の場所付きだ」
「えっ！？」

黒い水溜りが映る写真だけがぽつんと机の真ん中に置かれている事に千空は気づき手に取る。

写真の裏のアルファベットと数字を見て千空がどの地図か調べる。

「H-26…」

Hと書かれている地図を取り出して、26番のマスを見て笑う。

「静岡県の牧之原市周辺だ。過去にここで石油が発見された場所だ」
「！！」
「やるじゃねぇか百億点満点やる！」

寝ているAの頭を嬉しさのあまりガシガシと千空は撫でくりまわす。

そんな事をされてもピクリともしないAをほって、千空は探索チームに連絡を入れに行く。

「相変わらずね…千空ちゃん…」

まずAちゃんをベットに寝かせようよとゲンは呆れるが、龍水はAの手から落ちた紙を拾ってフッンと笑う。

「Aのためだろう」
「えっ？」

『君の隣に直ぐ戻るから待っていて』

龍水は拾った手紙を丁寧に畳みAの手の中に戻し抱き上げる。

「軽いな…フランソワに高カロリーな物をAには出すように言わないとな」

「まず量がねぇ…まぁ、これからは羽京ちゃんが一緒にいるから大丈夫でしょ」

ゲンはフウタを抱き上げ治療室へと龍水と一緒に向かう。

Aをベットに寝かせてその上にフウタを下ろすと、布団の中に潜って行くのを見てゲンはモグラかと笑う。

「…コスモスの花言葉龍水ちゃん知ってる？」

珍しく治療室に花を飾っているのを見てゲンはそう尋ねる。

「ふっん…さぁなん海外では『あなたのそばにいる』と聞いた方があるが」

日本では『愛情』って意味が込められてるとゲンは伝える。

「知ってて送ってるのかな羽京ちゃん」
「さぁな、受け取った者が喜べば言葉などどうでもいい」
「それもそうね」