騎士王と姫【炎炎ノ消防隊】 (ページ10)

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__本音ページ10

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『…新人大会って意外と暇なんだね…。』

アーサー「…あぁ。今のところ、ただ待ってる
だけだしな。」

大会が始まるまでは、まだ時間があるようだ。

壁にもたれて会話をしていると、森羅は何かを
見つけたようだった。

森羅「あの人って…！ …すみません！！」

森羅が向かった先には、“１”と書かれた服を
着た、第１の消防官らしき人がいた。

『森羅？』

アーサー「放っておけばいい。俺達はこのまま
待っておこう。」

『うん…。』

そう言い、私達はしばらく大会が始まるのを
待っていた。

『…こうやって見てても、女性の消防官は少ない
んだね…。』

アーサー「ああ。訓練校にいたのもほとんど男だったしな。それに消防官は体力が必要だ……どうしても男の方が有利になる事が多い。だが、お前みたいに体力のある奴は戦力になるだろう」

無意識の内に「女子らしくない」という言葉がよぎるが、アーサーがそんな嘲りの意を込める人間だとは到底思えない。

それに物は考え様、とも言うし……褒めてもらっているという事にしておこう。

それと、もう一つ気になっていた事がある。

『…あのさ、思ってたんだけど……その数少ない女性の消防官、みんな私達の方見てない？』

さっきから、やたらと視線を感じるのだ。

『別に変なところはないと思うんだけど…。』

アーサー「ふッ……さしずめ、騎士王たる俺のかっこよさを見ているんじゃないか？」

『なるほど…アーサーはきれいな顔してるしね。』

アーサー「……は…？」

『え？』

……え？え？あれ？

私、今何て言った…！？

アーサー「…ッ、もうすぐ競技が始まる。行くぞ！」

『あ、待って！私も行く！』

とりあえず、今は競技に集中しなければ…！！

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