騎士王と姫【炎炎ノ消防隊】 (ページ20)

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__新たな能力ページ20

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桜備「Aは、これが初任務だったよな。」

『はい…。』

桜備「緊張するか？大丈夫だ！
消防官はチーム。お前を置いて撤退することなどないからな！」

『が、頑張ります！
……それにしても、森羅とアーサーはどこに
行ったんでしょうか…。』

茉希さんが頼んだ “別の仕事”って、一体
何だったんだろう。

と、考えていると……

火縄「───森羅！アーサー！この辺にいるのは分かっているぞ！！」

拡声器を通した中隊長の声が、マッチボックス内にも町にも響いた。

火縄「勝手にプラプラ出ていきやがって……
貴様ら、帰ってきたら足腰立たないくらい
ぶっシゴき倒すからな！」

『中隊長！？
…っていうか茉希さんどうしたんですか！？』

中隊長の言葉に怯えていると、隣では床に頭を
擦り付けて懺悔している茉希さんがいた。

茉希「二人ともごめんなさいごめんなさい…！！
私が行けって言ったって言えなくて……
何でもするから、ラーメンとかおごりますから
堪忍してください…！！」

アイリス「…茉希さん？」

『……でも、二人ともこっちに近づいて来てる
みたいですよ！』

私がそう言うと、皆さんはとても驚いていた。

桜備「お前……森羅たちの位置が分かるのか？」

茉希「どうやっているんですか！？」

『えっと……気配って言うんですかね…。
何となくですがそういうものを感じます。
森羅とアーサーは第三世代ですから、発火して
いると余計に分かりやすいんです。』

私自身あまり意識したことはなかったのだが、
どうやら私は“気”や“気配”と呼ばれるものを
察知できるようだ。

『あ……二人は今、このマッチボックスの隣に
いますよ！』

すると前方から中隊長と森羅との話し声が
聞こえてきたので、当たっているようだった。

アイリス「すごいです、Aさん！」

桜備「新人大会で建物に残っていた隊員を
見つけられたのもその能力か…。ちなみに、俺達のような無能力者でも分かるのか？」

『桜備大隊長やアイリスさんは長い時間一緒
ですから察知できますが…他の人ではどうなるか
分かりません…。』

そもそもこの能力に気づいたのも今だから、
どうなるかはまだまだ未知数だ。

火縄「……もうすぐ着くぞ。全員、戦闘準備を
しておけ！」

その言葉を聞き、私は改めて気を引き締める。

さぁ、初任務だ…！！

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